2.個人防護具の使用

個人防護具(Personal protective equipment: PPE)には、手袋、マスク、エプロン、ガウン、ゴーグル、フェイスシールドがあります。血液や体液、分泌物、排泄物、粘膜、健常でない皮膚に接触する際に、状況に応じてPPEを選択して使用します。この内、使い捨ての手袋は最も使用頻度の高いものです。交換のタイミングとしては、ある動物の処置から別の動物の処置に移る前です。同じ動物でも処置ごとに交換する場合もあります。外すタイミングは処置直後や、汚染されていない物品や環境表面に触れる前です。外した時に注意する点としては、必ず手指衛生を実施することです。

 マスク、ゴーグル、フェイスシールドは、眼や鼻、口の粘膜の防護するために使用するものです。ゴーグルなど使い捨てでない場合は、使用後に消毒薬で表面を消毒します。マスクは使い捨てとし、必要に応じて交換します。特に空気感染をする人獣共通感染症が疑われる場合は、N95マスクの使用が推奨されます。
 エプロンとガウンは、衣服の汚染を防ぐとともに、血液や体液の暴露から獣医療従事者の皮膚や着衣を守るために使用します。必ず防水性であることが求められ、使用後は部屋を出る前に脱ぐことを徹底します。