1.手指衛生

院内感染対策として獣医療従事者の手指衛生が非常に重要とされています。病原体の拡散を防止するために手指を清潔に保つことは、自分自身はもちろんのこと動物や家族を感染から守ることに繋がります。

(1)手指衛生の原則
手指衛生の原則は「一処置一手指衛生」と言われており、①動物に接触する前と後、②清潔・無菌操作の前、③血液、体液・分泌物・排泄物、健常でない皮膚、粘膜を取り扱った後、④診察台など動物周辺環境に触れた後などです。

(2)手指衛生の種類
  手指衛生には、まず①擦式アルコール手指消毒薬による手指消毒があります。消毒薬には消毒用アルコールの他、ベンザルコニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩、ポビドンヨードにエタノールが混合した製剤が市販されています。目に見える汚れがない時に実施し、これが手指衛生の基本となります。ほとんどの微生物に使用でき、短時間(20~30秒)で効果を得ることが可能です。