ペットとの接触や家族構成と学童期のアレルギー症状の関係性

アレルギー疾患の効果的な治療・予防法が模索されている中、1999年にスゥエーデンで幼少期のペットとの接触や家族構成と、学童期のアレルギー症状やアレルギー感作との関係を評価する興味ある論文が公表されました²⁾。1991年に層別化された412人の小児に対して面接と皮膚プリックテスト(SPT)が実施されました。SPTとはアレルギーの原因と考えられるアレルゲンエキスを1滴前腕にのせた後、専用の器具(プリックランセット)で小さな傷をつけ、15分後に皮膚に膨隆疹が出現するかを観察するものです。1996年に1991年と同じ臨床症状に関する質問を行い、初期のペットとの接触に関する詳細な質問を追加してSPTを実施しました。この結果、生後1年間にペットに暴露された子どもは、7~9歳でのアレルギー性鼻炎、12~13歳での喘息の発症頻度が低いことがわかりました。生後1年間に猫に曝露された小児は、12~13歳の時点で猫に対するSPT陽性率が低いものでした。つまり、幼少期に猫に接触していても、猫アレルギーに罹患する可能性は低いことを示しています。また、兄弟姉妹の数と喘息およびアレルギー性鼻炎の発症には負の相関が認められました。