一般に動物の寿命は人より短く、飼い主は伴侶動物として密接な関係にあった犬や猫との辛い別れを経験することになります。できるだけ長期間にわたり生活をともにしたいと願っても、動物の寿命を人並みに延ばすことは不可能に近く、それは運命としか言いようがありません。

そんな飼い主の思いを代弁するような新しい技術が海外で実用化されて話題となっています。

今回は『ペットのクローン・ビジネス』の話です。

動物のクローン技術は、日進月歩

1996年にイギリスで「ドリー」と名付けられたクローン羊が誕生し、新聞やテレビなどのメディアを賑わしたことを覚えていることと思います。

クローンとは、ギリシャ語で「Klon=小枝」を語源とし、「遺伝的に同一である個体や細胞」を指す生物学の専門用語です。つまり、クローン犬やクローン猫とは、全く同じ遺伝子組成を持った動物を指し、基本的に外貌は瓜二つとなります。しかし、クローン猫「Cc」を最初に報告したテキサスA&M大学プロジェクトは、もともとの猫とクローン猫の外貌が異なったと報告しています。性格の形成は遺伝的な背景よりも環境要因の影響が大きいので、全く同じにはならないと思われます。

いずれにせよ寿命や病気などで亡くなった動物がクローン技術を使用することにより、生前や死後でも遺伝学的に同じ個体を作ることが可能な時代になったのです。


クローン技術の利点としては、①同じ遺伝子をもった動物の大量手段となることや、②医薬品(タンパク質)の大量製造手段となること、③絶滅の危機に瀕している希少動物を保護すること、④再生の手段などが挙げられています。

特に畜産では優良な性質をもった家畜を大量に生産できる技術になることが期待され、また野生動物では絶滅危惧種などを増やすことも可能であると思われます。