病気はどのように生じるのか

次に「病因」をみていきます。
病因とはその名の通り「病気の原因」で以下の3つに分けられると考えられています。
① 外因:からだの外側から侵入するもの
② 内因:からだの内側から生じるもの
③ 不内外因:外因でも内因でもないもの


①の外因は、気候の変化で自然界の気「六気」(風・寒・暑・湿・燥・火)の過不足が生じ、「六淫(りくいん)」(六邪)になると、生命に悪影響を及ぼすというものです。六淫(六邪)は口や鼻、皮膚から体内に侵入しますが、からだの正気(ここでは自然治癒力のようなものと捉えてください)が外邪を排除できれば、病気にはなりません。


季節は異なりますが、冷房に当たり過ぎることで寒邪が侵入することもあります。例えば関節痛などは、冬だけでなく夏にエアコンの効きすぎた部屋にいる動物も、リスクが高まるということになりますね。

②の内因は、「七情」(怒・喜・思・悲・憂・驚・恐)という感情に、突然激しい変化が起こったり、長期間行き過ぎた状態が続くと起こるものです。感情は生命に必要なもので、適度であればそれぞれ関係する臓腑に良い影響を与えますが、感情が押し殺されたり、逆に激しく出され過ぎたりすると、「七情内傷」といって、臓腑を傷つける原因となるのです。


動物の場合も、例えば極度に恐がりであったり、生活の中で距離の近い飼い主の精神状態の影響を受けていると思われる患者さんは多くみられますね。

③の不内外因には、「飲食不節(質の偏りや量の過不足)」「労逸(過労と安逸)」「外傷」「痰飲/?血」などが該当します。「痰飲/?血」は次回以降にご説明いたします!

いかがでしたでしょうか。

過労は病のもと!!体が弱れば六淫にも負けやすくなります。七情内傷にならないように気をのびやかに、過ごしていきたいですね。
それではまた次回まで、お元気でお過ごしください!


青木志織 Shiori Aoki

ウィルどうぶつクリニック

大学在学時より中医学を志す
日本獣医中医薬学院卒業
1 級獣医中医師/獣医推拿整体師
現在、中医学気功も勉強中

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