「元気」を生み、成長や生殖に関わる「腎」

「腎」は泌尿器としての「腎臓」とは違い、「腎精」を貯めておく大切な場所であり、成長や生殖、老化で現れる現象にも深く関わります。「腎精」が変化し「元気(原気)」が生じます。


① 蔵精作用:両親からもらった「先天の精」と飲食物から得る「後天の精」を貯める。それにより成長、発育、生殖を担う。
② 主水作用:全身の水液代謝を調整する。
③ 納気作用:肺が得た自然界の清気を、肺から腎へ降ろし、体内に行きわたらせる。


上図より、同じグループに属する「骨」は腎精によって養われますが、「髄」や「脳」も同様です。また、歯は「骨余」と言い腎と関係しますし、「耳」や「髪」の状態、「二陰」と言って大小便の状態も腎に左右されます。腎の働きが低下すると骨がもろくなったり歯が抜けたり、髪が少なくなったり耳が遠くなったりします。老化現象と呼ばれるものですね。ですから、老化に伴う諸症状には、腎を補う治療を意識して行うことが大切です。呼吸は肺だけでなく腎も深く関わり、③の納気作用が失調すると、呼吸が浅くなったり息切れを起こしやすくなります。

このように、全ての臓がからだの中で協力し合うことで生命は成り立っているのですね。
それではまた次回。本年も、気が充実した1年になりますように!


青木志織 Shiori Aoki

ウィルどうぶつクリニック

大学在学時より中医学を志す
日本獣医中医薬学院卒業
1 級獣医中医師/獣医推拿整体師
現在、中医学気功も勉強中

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