興味・やりがいを追求してスペシャリストの道へ

―教育にあたって、先生が大切にしていることを教えてください。
 エコーなど実技系の授業では、各自で実際に手を動かして描出してもらう時間を取っています。まずは自分で取り組んでみることで、大学病院の診療を見学する際も、「画像をこうやって描出しているのだな」、「画像の所見からこういう判断をするんだな」ということが理解しやすくなりますから。また、獣医療は答えのない診療やまだまだ未解明の診断や治療も多いので、病気の表面的な知識や治療法だけでなく、考える素材やきっかけも伝えるように心がけています。獣医学の楽しさを存分に伝えたいです。一方、教育の現場では学生の素朴で率直な質問や疑問、学生ならではの新鮮な視点から、こちらが勉強になったり、教えて頂いたりすることも多いですね。


―最後に、若手獣医師へのメッセージをお願いします。
 スペシャリストとして突き詰めていく分野は、まずは幅広くいろいろとやってみて、その中で自分が楽しさややりがいを感じたものがお勧めかもしれません。可能であれば研修に参加するなど、実際の診療現場をみるととても勉強になると思います。診療現場をみることで、その先生の考え方やその分野の現状を理解しやすくなって、「スペシャリストとして自分がこうなりたい」というイメージに近い姿なのかどうかも、分かりやすいですしね。将来、循環器のスペシャリストが出てきて、一緒に議論できることを待ち望んでいます。
 また、最近は認定医、専門医という制度があります。取得を目指していく中での勉強は大変身になりますので、自分がスペシャリストになりたい分野にそのシステムがあれば、ぜひ活用してください。 また、将来獣医になりたいと言う人に会ったときに、胸を張って「こんな良い仕事はない」、「楽しいぞ」、「ぜひなってね」と言えるような獣医業界を作りたいです。皆さんも一緒に盛り上げていきましょう。よろしくお願いいたします。


鈴木 亮平

日本獣医生命科学大学 獣医内科学研究室講師、附属動物医療センター 循環器科

【経歴】
2010年 日本獣医生命科学大学卒業
2014年 同大学大学院博士課程修了
2014~2016年 東京都内の一次診療施設勤務
2016~2018年 東京都内の一次診療施設勤務
2018年 日本獣医生命科学大学附属動物医療センター 助手
2019年 同大学獣医内科学研究室助教
2022年 同大学獣医内科学研究室講師

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