発表を聞いて…:HPSの周知と診断基準の確立による獣医療への貢献

実際にリンパ腫の症例に当たった時、腫瘍随伴症候群としてHPSを思い浮かべる先生方は少ないのではないかと思います。しかし、リンパ腫の症例におけるHPSは、認識されていないだけである程度その数は存在し、実際はマイナーな病態ではないのかもしれません。

リンパ腫の診療を行う際は、HPSの存在を念頭に置くことで、早期の診断につながり、免疫抑制治療を迅速に導入したり、よりよい飼い主へのインフォームが行えるのではないかと考えます。

本講演によってHPSが広く周知されること、また獣医療においてもフェリチンの高サイトカイン血症のマーカーとして有用であるかどうか、具体的な数値の検討など、今後研究が進むことを期待しています。


(SA Medcine/SURGEON編集部 佐野文郁)

【参考文献】
1. 富士フィルムVETシステムズ株式会社:フェリチン(犬)受託検査サービス開始のご案内.
https://asset.fujifilm.com/www/ffvs/files/news/2022-07/44d69040b71d129247153ef964396370/news_67_01_0.pdf


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