ココに注目② :獣医療におけるHPSの新しい診断基準を提案

諏訪先生は「HPSの診断基準の見直しが必要だと考えています」と話し、「特に、HPSの病態の本質にかかわる高サイトカイン血症を診断基準として考慮することが重要」と加えました。獣医療領域でも、昨年から血清フェリチンが測定できるようになったため、本来の鉄欠乏性貧血の指標としてだけでなく、高サイトカイン血症の 2 次的マーカーとしての活用が期待されます1)。
諏訪先生は、フェリチンの測定が可能になったことを加味し、人医療に倣った新しい診断基準を提示しました(表 3)。

【表 3 獣医療におけるHPSの新しい診断基準案】


以上の 6 項目のうち、いかに多くの項目を満たすかということと、その他の症例の情報から総合的にHPSを判断する、とのことでした。諏訪先生による新しい診断基準は、よりHPSの病態を反映したものであり、また基本的にどの診療施設でも検査が可能な項目であるため、非常に有用であると感じました。