姉妹本「犬と猫の心疾患の薬物療法」について
「犬の僧帽弁閉鎖不全症」の姉妹本となる「犬と猫の心疾患の薬物療法」2023年5月1日発刊されます。引き続き松本浩毅先生に書籍のポイントや活用方法について伺いました。
―― 松本先生がお考えになる「心疾患の薬物療法」の位置付けを教えてください。
心疾患に対する薬剤の種類は他の病気と比べて物凄く多いです。
例えば肝臓疾患だと大体3~4種類くらいの薬剤が中心となりますが、「1種類目の薬剤に効果がなければ2種類目の薬剤を使う」「1種類目と2種類目の薬剤を組み合わせて使う」などをおこないます。しかし、心疾患に限っては1つの病態に対して薬剤の種類が非常に多く、選択を誤ると死に直結してしまいます。
例えば不整脈は頻脈性と徐脈性があって、それぞれで薬剤を選択しなければなりません。
さらにホルモンの代謝異常により血圧も変化している可能性もある…など心臓だけをみるのではなく、全体の状態から薬剤を選択する必要があります。
そのため、心疾患に対する薬物は慎重に精度高く扱わなければいけないと考えます。

写真:弊社社長 太田とともに
―― 読者の先生方へ書籍のポイントや活用方法を教えてください。
さきほど薬剤に対する根拠や経験を持ち合わせる必要があると話しましたが、ぜひ本書で根拠(経験)の部分を勉強していただき、日々の診療や飼い主様へのインフォームにつなげていただきたいと思います。
また、「僧帽弁閉鎖不全症」はもちろん「急性心不全」や「循環器疾患と麻酔」という部分では、今後外科的な治療方法がどんどん増えてくる中で、知識を持っておく必要があります。例えば、正常ではない循環状態で麻酔処置を行う場面には、血圧が下がる、不整脈がおこるリスクが上昇します…その場合、健常な状態で行う避妊や去勢の手術を行う時に比べ、さらに事前の準備が重要となります。そういったことのベースになる知識をぜひ本書で得ていただきたいと思っております。
そして、発生頻度の高い疾患「僧帽弁閉鎖不全症」とセットでお読みいただくことで、より理解を深めていただきたいです。
▼ 「犬の僧帽弁閉鎖不全症」詳細・ご注文はこちら
https://eduward.online/products/detail/2131
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松本浩毅
- 日本獣医生命科学大学 獣医内科学研究室教授