サイロキシン測定

甲状腺機能亢進症は高齢の猫でよく認められる疾患であり、心臓の聴診の異常(心雑音、奔馬調律、不整脈)や心臓のリモデリング(左心室壁の肥厚あるいは心臓の内腔の拡大)を起こしうる。また、甲状腺機能亢進症がうっ血性心不全(CHF)や動脈血栓塞栓症を引き起こすこともある。

甲状腺機能亢進症の猫において左心室壁の重度の肥厚が認められることがある。この場合には、もともと存在した肥大型心筋症による左心室壁の軽度~中等度の肥厚が甲状腺機能亢進症により増悪したことが疑われる(エビデンスレベル 低)。

6 歳齢以上の猫において心臓の聴診に異常が認められた場合には、心臓超音波検査において左心室壁の肥厚があろうとなかろうと、すべての猫において血清サイロキシン濃度を測定することが推奨される(エビデンスレベル 低、推奨クラス I)。