シミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO 中村 和男、以下:シミックグループ)は、2023年9月26日にアニマルヘルスケア領域の事業を展開するグループ会社であるanimo株式会社(本社:山梨県北杜市、代表取締役Co-CEO 栗田 敦志・久野 孝稔、以下:animo)を設立し、まず第一弾としてグループ会社であるノックオンザドア株式会社が提供し、ヒト医療において、全国のてんかん専門医の所属する医療機関数のうち約41%、難治小児てんかん患者の保護者の約30%(2024年3月時点)が利用しているてんかんの診療支援プラットフォーム「nanacara」を基盤としたてんかんのペットに特にフォーカスしたペットの4月より専門医および実際のてんかん犬猫の飼い主さまに協力を頂く形で受入テスト(UAT)を実施し、年内のサービス提供開始を目指します。

ニュース概要

■ペットのてんかん
獣医療において、てんかんの犬猫は凡そ20万頭ほど(推定値)いると言われています。てんかん治療においては、オーナーの日常の記録がどれだけ正確に取得されているかが適切な診断や治療のために重要な要素となるとともに、それらの情報を適切にかかりつけ医や専門医に連携する仕組み作りが必要となります。


animoアプリおよびサービスの開発においては、日本獣医生命科学大学の長谷川 大輔 教授や浅田 李佳子 先生などに監修、アドバイスを頂く形で進めており、獣医療におけるてんかん・神経病学の専門家の見識を取り入れながら開発を進めています。

■日本獣医生命科学大学 長谷川大輔教授、浅田 李佳子 先生からのコメント


現在の獣医療におけるてんかんの診療および治療にはいくつかの課題があると考えます。てんかんは犬猫で最も一般的な脳疾患で、多くの患者さんがいます。しかしながら神経疾患の専門家(専門医や認定医・てんかんの診療経験豊富な獣医師)やてんかんの精密検査(MRIや脳波検査など)ができる施設が全国に十分数存在するとは言い難いです。てんかんの診断や治療に対する不安や疑問に対応できる専門家が近くにおらず、必要とする情報が得られず不安を抱く飼い主さんもおられる様です。
私達がてんかん患者さんの診療を行う際は、発作の回数や症状だけでなく、発作の時間や投薬の状況、体調など多くの情報を飼い主さんから伺っています。スマートフォンで発作の動画を撮ってくださる飼い主さんも多く診療の助けとなっていますが、毎日てんかんのお薬を欠かさず飲ませ続けながらたくさんの情報を記録していただくのは負担が大きいだろうと感じています。また、記録いただいた情報が多いほど情報の把握に時間がかかってしまい、限られた診療時間で充分なコミュニケーションをとることが難しくなり、飼い主さんの不安や疑問に向き合う時間が限られてしまうことも問題であると感じています。
これらの課題の解決には、飼い主さんと獣医師間での情報共有を円滑に実施出来る体制や飼い主さんの日々の記録の負担が軽減できるツール、てんかん治療に必要な情報が飼い主さんやかかりつけ獣医に充分に提供される環境(患者さんを詳しく理解しているかかりつけ医と、てんかんの専門家が協力して治療に当たる機会を増やすこと) が必要だと考えます。
今後、animoの事業が、てんかんの動物と暮らす飼い主さんの負担を軽減し飼い主さんとペットのQOLを改善すること、てんかん診療に必要な情報の記録・提供の選択肢となり飼い主・かかりつけ医・てんかん診療を行う獣医師をつなぎ治療に関する不安・不満を解消するツールとなっていく事を期待します。
animoアプリおよびサービスの開発においては、日本獣医生命科学大学の長谷川 大輔 教授や浅田 李佳子 先生などに監修、アドバイスを頂く形で進めており、獣医療におけるてんかん・神経病学の専門家の見識を取り入れながら開発を進めています。

■animoアプリ(開発中)のご紹介
animoは非常に簡単な操作で日常生活下や症状発現時の状況(動画、画像、症状記録、服薬記録、生活イベントなど)を記録することが可能であり、かかりつけ医は遠隔の専門医にもそれらの記録を飼い主の同意のもとで共有したうえで相談や診察を受けることが可能です。アプリおよびサービスの開発を進めるにあたっては、日常の症状記録や専門的な知識を有する獣医師との繋がりが特に求められる領域の1つである“てんかん(神経病)“領域の専門科の視点でも診断や治療に必要な情報が記録されるものになります。animoアプリは、順次他の疾患領域にも展開していきます。

以下、animoオーナー向けアプリ(開発中)の一部画面。



animoアプリの開発の基盤となるのは、ヒト医療において、全国のてんかん専門医の所属する医療機関数の約41%、難治小児てんかん患者の保護者の約30%(2024年3月時点)が利用しているてんかんの診療支援プラットフォーム「nanacara」です。(シミックホールディングス株式会社のグループ会社である「ノックオンザドア株式会社」がサービス提供)ノックオンザドア株式会社HP: https://knockonthedoor.jp/

■animo設立の背景
近年、“ペットの家族化”が進み、2021年時点に犬と猫の飼育頭数が15歳未満のこどもの数を上回りました。犬や猫の平均寿命は延伸を続けており、ペットとの共生社会の更なる発展、健康共生寿命*の延伸に対する要請が高まっていると考えています。
(*健康共生寿命:animo㈱での造語。人(飼い主)とペットが共に健康上の問題で日常生活が制限されることなく共に生活できる期間を指す)
ペットも人のように疾患の多様化、専門性が進み、“人医療と獣医療の連携”・“動物病院間、動物病院-飼い主間の情報連携”が急務であると私たちは考えています。そこで、「人と動物の垣根を超えたヘルスケア・エコシステムの構築(One Health Platform)」をMissionとしてanimo株式会社を設立しました。私たちは、「ヒト」、「動物」を動物種で単純に分けるのではなく、医療資源を共有し共に病気に向き合い、寄り添い理解し合えた先に、医療・ヘルスケアの新たな発見があるものと信じています。そのためのプロダクト、サービスを私たちは提供していきます。


■シミックグループが考えるOne Health
近年、動物からヒトへ、ヒトから動物へ伝播する感染症(人獣共通感染症)は、全感染症の約半数を占め、医師や獣医師はそのリスクに直面しています。この問題に対し、ヒト、動物、環境の衛生に関わる専門家が協力するOne Health(ワンヘルス)(*1)という考え方が世界的に広まっています。WHOや厚生労働省においてもOne Healthの普及と分野間の連携を推進しています。
シミックグループではこのOne healthの考えを基に、ヒト医療と獣医療の垣根を超えてそれぞれの成功体験を相互に取り入れつつ、情報管理および相互の情報連携による利活用の高度化により革新的な医療・ヘルスケアサービスを開発していく必要があると考えています。

(*1) One Health:福岡ワンヘルス協議会のHPでは「ワンヘルスとは人の健康、動物の健康、環境保全は一つという考えのもと、人と動物、そのしてそれらを取り巻く環境が直面しているさまざまな課題に対して医師や獣医師、研究者だけでなく、行政や企業、市民も一緒になって解決していこうとういう社会活動」とされており、私たち人が健康であるためには、動物の健康や自然環境を考えていく事が重要とされています。

WHO One health:https://www.who.int/health-topics/one-health#tab=tab_1
福岡ワンヘルス協議会: https://fukuoka-onehealth.jp/
福岡県HP ワンヘルス”One Health”~人と動物の健康と環境の健全性は一つ~:
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/one-health-fukuoka.html

■インターペット2024 に出展いたします!https://interpets.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja.html
東京ビッグサイト東ホールにて2024年4月4日(木)~7日(日)開催の「インターペット2024」にanimoは5日~7日の3日間出展いたします。インターペットとは日本最大級のペットのイベントで、毎年、国内外の数百社もの企業が出展しています。飼い主さんだけでなくワンちゃんたちも同伴して楽しめます。ぜひ来場された際はブースにお立ち寄りください!

■シミックグループについて
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器などの海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC('Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,500人を超える従業員とグループ会社28社を擁しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。https://www.cmicgroup.com/

■animoについて
CMICグループがこれまで培ってきた医薬品開発支援およびヘルスケアソリューション開発・提供の実績をもとに、“人と動物の垣根を超えたヘルスケア・エコシステムの構築(One Health Platform)”をMissionとして、「ヒト」と「動物」を医療資源を共有し共に病気に向き合い、寄り添い理解し合えるパートナーと位置付けた上で、医療・ヘルスケア領域における新たなプロダクト、サービスを創造していきます。


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