今回は、中医学はこれ抜きには語れない「気」が登場しますよ!前回までも時折出てきた「気」ですが、中医学的にからだを診断する際にも大変重要な「血(けつ)・津液(しんえき)」と共にご説明していきます。それではみていきましょう!

「気」って本当にあるの?!

中医学でいう「気」とはすごいもので、「血」と「津液」と共に生命体を構成する基本物質であり、生命活動に必要不可欠と考えられています。目には見えませんが高いエネルギーをもつ物質で、これが臓器や血管内、体のすみずみまで分布して流れているとイメージしていただくと良いと思います。そして、生体だけでなく、宇宙に存在する全てのものも「気」でできていると考えるのです。


そもそも目に見えないものは信じない、という方もいらっしゃると思いますが、どうしてもイメージしづらいという方は、漫画「ドラゴンボール」の孫悟空がスーパーサイヤ人に変身するシーンなどを思い出してもらえたら良いかと思います。(すみません、世代なんです。)中医学の教科書にドラゴンボールが出てくるわけではありませんが、自分がはじめ「気」を勉強し始めた時に「あんな感じか・・・?」と思い出したものです。
目に見えないから存在しない、というわけではなく、「気」は日常のあらゆる場面で感じられるものです。その証拠に、私たちは「元気」「病気」「気になる」「気が利く」などと「気」のついた言葉を多く使っていて、これらを見えないからと否定する方はいないでしょう。


「気」は大きく分けて4種類あり、「元気(原気)」「宗気」「営気」「衛気」がそれぞれの担当部位で働きます。
そしてそれらの「気」の働きには、「推動作用」「温煦(おんく)作用」「防衛作用」「固摂(こせつ)作用」「気化作用」の5つがあります。


それぞれイメージで色分けをしてみましたが、なんだか戦隊モノのレンジャーの服の色のようですね。それぞれ方向性の違った気の作用が協力してからだを守っているとイメージしていただくと良いかと思います。