ペッツファーストホールディングス株式会社(本社:東京都⽬⿊区、代表:正宗 伸⿇)は、“Pets always come first”を理念に掲げ、ペットのかけがえのない命を扱う企業として、これまで毎年 2 万人以上のお客様へ幸せなペットライフを提供してきました。また繁殖者であるブリーダーとの連携を深めるためにも、2022年6月からはペットオークション等の第三者を介さずに、全国各地の約1,000名の当社契約ブリーダーと全て直接取引を実施してきました。

ニュース概要

■心身ともに健康なペットを提供する取り組み
【犬猫等販売業者は、出生後8週齢(56日齢)を経過しないものについて、販売をしてはならない。】
生後まもない子犬・子猫は、親や兄弟と一緒に過ごすことで、社会化が促進され将来の問題行動の軽減に繋がること、免疫力を高め、感染症に罹るリスクを抑えることを目的として8週齢(56日齢)を経過し、57日齢以上でなければ、ペットショップ、ブリーダーなどで販売してはならないと動物愛護管理法で定められています。

当グループでは当社担当者が契約ブリーダーと積極的なコミュニケーションを図ることで、交配や出産、離乳、飼育環境などの情報を随時確認し、生後57日齢までの状況を把握できる体制を整えております。

さらにペットの健康を守ることをなにより優先するためにも、必ずしも57日齢の取引にはこだわっておらず、健康状態が万全でなければ取引を延期することもあります。

またこれまでの当社における統計からも、わずか数日でも高日齢での取引がペットの健康リスクの抑制につながることは明らかです。そのため当グループでは今後、生後60日齢以上での取引基準に引き上げます。まずは5月1日より全体の取引に対する60日齢以上の取引割合を、現在の15.9%(2024年3月度)から段階的に引き上げ、2025年2月末で100%とします。以後は60日齢以上の取引を徹底します。

さらに将来的には出生後9週齢(63日)へ引き上げます。但しそれぞれの基準導入の際には、ブリーダーとその管理するペットの動物福祉に対しても充分に配慮をした上で進めてまいります。


■学術チーム 稲富獣医師コメント
「犬猫幼齢動物を親から引き離す日齢が早すぎたために考えられる悪影響」についての、日本小動物獣医師会会員獣医師 4,196 人対象とした幼齢動物の取り扱いについてのアンケート調査結果*¹によると、回答のあった761人のうち、1)精神的未熟な為、移動後のストレスによる体調不良(死亡を含む)が566人、2)体力的、免疫的に未熟な為、疾病発症(死亡を含む)が602人、3)社会化期の短縮による性格形成の不良が645人となりました。また上記の悪影響が軽減されるような「犬猫幼齢動物を親から引き離すのに好ましい日齢」については、回答のあった761人のうち49.4%の370人が60日齢と回答しています。また平均は63.5日齢でした。日頃から犬猫診療に携わる獣医師の意見は非常に重要です。

さらに子犬を疾病などのリスクから守るために重要な「免疫力」の一つである「腸管免疫」について、56日齢と比較して63日齢の方が高いレベルにあるというエビデンスもあります。(学会発表予定)

上記の臨床獣医師の意見及び学術的なエビデンスを考慮し、当社は取引基準を段階的に63日齢に引き上げます。

ペッツファーストグループは、グループ内で所有する幅広いリソースを活用し、ペットの健康を守るための取り組みを推進して参ります。

*1: 小原公成ら(2014)「改正動物愛護管理法に関連する犬猫幼齢動物の取り扱いについての調査」中部小動物臨床研究会


■日本獣医生命科学大学 田中亜紀特任教授コメント
これまでも動物愛護管理法では取引日齢規制について、過去にも45日、49日、そして56日へと、ペットの心身の健康のために議論を重ね見直されてきました。

動物福祉の観点から見ると、健全なブリーダーの元で、親や兄弟などと集団で過ごす時間を少しでも長く持たせ、動物同士でのコミュニケーションを学ぶことはとても重要です。特に、これから家族として迎えられていく子犬や子猫にとっては、心の成長を促す「社会化期」の間に動物と人のそれぞれとのコミュニケーションを学ぶ機会を提供しなければなりません。

ペッツファーストが法令以上のこれらの取り組みを行うことで、より人と動物が過ごしやすく、動物が身近にいる社会の推進に役立つと考えます。

【プロフィール】
名前:田中亜紀 先生  
経歴:
現職 日本獣医生命科学大学 特任教授
日本獣医生命科学大学卒業 獣医師
動物病院勤務を経て、2001年渡米
米カリフォルニア大学デービス校にて、環境毒性学部で修士課程修了後、
シェルター・メディスンの研究で獣医予防修士課程修了。
同校でシェルター・メディスンと災害獣医学の研究をテーマに博士課程修了。博士(疫学)。2019年4月より現職。獣医師。


■代表取締役社長CEO 正宗伸麻コメント
私たちは、'Pets always come first'を理念に、ペットショップを運営し、これまで毎年 2 万⼈以上、創業以来 40 万⼈以上のお客様へ「ペットと共に暮す幸せ」を提供してきました。また獣医師をはじめ沢⼭のスタッフ、当社契約ブリーダー様たちが病気や疾患、死亡事故からペットを守るために⽇々努⼒してきました。但し昨今ペット業界に対して、ペットショップでペットを販売すること、その⽂化そのものに対して様々なご意⾒があることも承知しています。また最近、ペットの8週齢(56日齢)規制の形骸化も一部指摘されております。8週齢(56日齢)以上での取引はペットの心身の健康を守るためには極めて重要な規制であると私たちは考えています。

ペッツファーストグループは今後、より一層の健康管理を徹底するために、当社契約ブリーダー様との関係性をさらに強化するとともに、法令で定められた8週齢(56日齢)以上での取引基準を、60日齢以上に引き上げます。日数にしてわずか3日間ではありますが、学術的にも身体の小さな幼齢期の子犬猫にとっては好影響を及ぼし心身の負担が大きく減ることが期待されます。またそもそも法令を守りやすくなることで、当社契約ブリーダーの方にも安心して健全なブリーディング活動に取り組んでいただけることを願っております。この取り組みも、私たちが当社契約ブリーダーとの直接取引にこだわってきたからこそ可能な取り組みです。また将来的には9週齢以上での取り引きへ引き上げ、幼齢期の販売にこだわること無くペットライフを提供できる仕組みをつくります。

私たちペッツファーストグループは、これからもあるべき健全なペットショップを⽬指して改善し続けていきます。


■会社案内
【会社名】ペッツファーストホールディングス株式会社
【所在地】〒153-0063東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル9F
【資本金】1億円
【代表者】代表取締役社長CEO 正宗伸麻
【従業員数】1,215名(うち獣医師73名 ※業務委託含む 愛玩動物看護師54名)2024年3月末時点
【その他】
●公益財団法人日本補助犬協会と連携し12頭の聴導犬と1頭の介助犬を育成しユーザーへ提供
●動物病院URL(https://pfirst-ah.jp/
●ニュースレターアーカイブページ(https://www.pfirst.jp/newsletter.html

<本掲載関連記事>
・vol.1 ペットの命を守るための取り組み〜売れ残ったペットはどうなるのか
・vol.3 ペッツファースト初の医療センター「ペッツファースト動物病院 代官山高度医療センター」を開院
・vol.4 「ペッツファースト動物病院 福岡大野城医院」開院〜なぜ動物病院を拡大するのか〜
・vol.5 第1回譲渡会を開催〜なぜペットケア&アダプションセンター日光を開業したのか〜
・vol.6 私たち動物病院グループの高度医療への取り組み
・vol.7 日本獣医生命科学大学との猫の難病FIPの共同研究の取り組み〜不治の病を治る病気へ〜
・vol.8 ペットの遺伝子病対策の取り組み〜重篤な遺伝子病で苦しむペットを生み出さないために〜
・vol.9 2023年マンスリーペットレポ―ト総括

●マンスリーペットレポート(https://www.pfirst.jp/protected_monthlyreport.html

■お問い合わせ先
【本掲載内容について】
ペッツファースト株式会社 広報部
電話番号 03-6417-3503/E-mail pr@pfirst.jp
担当者 粕谷・西河


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