こんにちは!VETS CHANNNEL事務局です。
今回は、稲葉 健一先生(名古屋みなみ動物病院・どうぶつ呼吸器クリニック)による
一時的気管切開をご紹介いたします。
症例は短頭種気道症候群を呈したフレンチ・ブルドッグで、
上部気道整復術を実施する前に、一時的気管切開を行いました。
呼吸器外科の基礎テクニックの1つである気管切開に関して知識を身につけていきましょう。
◇一時的気管切開
講師:稲葉 健一先生(名古屋みなみ動物病院・どうぶつ呼吸器クリニック)
https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1004139/

一時的気管切開のPoint!

1. 切皮(00:08〜01:44)
Point! 切皮は輪状甲状筋をランドマークにし、気管を触知しながら輪状甲状筋から5㎝程度を目安に行う。

2. 気管アプローチ(01:45〜07:51)
Point! 輪状甲状筋が輪状軟骨に付着している箇所をランドマークにして気管軟骨を数え、第2-3または第3-4軟骨間を切開する。

3. 気管切開(07:52〜13:50)
Point! 切開した上下の軟骨に支持糸をかけ、ラセンチューブを挿入できる大きさまで少しずつ切開を広げる。この時最大でも気管径の半分までにとどめ、最小の切開で済むよう注意する。

4. チューブの固定(13:51〜18:23)
Point! 切開部からラセンチューブを挿入し、第1・第2肋骨を目安に尾側方向へ進める。本症例は次に上気道整復を行うため軽く皮膚のみ閉じるが、その他の場合は気管切開チューブを挿入後、胸骨舌骨筋に糸をかけないよう注意しながら皮膚のみ縫合する。
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https://media.eduone.jp/list/102/122/