こんにちは。VETS CHANNEL事務局です。
本日は、2023年1月に開催する「短頭種気道症候群へのアプローチ」に関する論文をご紹介いたします。
短頭種気道症候群と全身の関連性について理解を深めていきましょう。

◇肝臓腫瘍切除術
 講師:林宝 謙治先生(埼玉動物医療センター)
 https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1004106/
◇肝臓・脾臓 ~画像診断のいろは~
 講師:戸島 篤史(日本小動物医療センター)
 https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1000623/

短頭種気道症候群を呈した犬における肝臓および脾臓のエラストグラフィと臨床バイオマーカーとの関連性

本研究の目的は、短頭種閉塞性気道症候群(BOAS)が肝臓および脾臓の弾力性の変化と関連性があるかどうかを明らかにすることである。
短頭種48頭と中頭種22頭を対象に、BOAS機能評価、臨床検査、腹部超音波検査、肝臓および脾臓の音響放射圧(ARFI)エラストグラフィを実施した。
BOASを呈した犬では、健常犬よりも肝臓の硬度が高かった(p < 0.001):内側左葉・右葉(1.57 ± 0.37 m/s)、外側左葉・右葉(1.54 ± 0.50 m/s, 1.23 ± 0.28 m/s)、尾状葉(1.28 ± 0.42 m/s)。
短頭種群(BOASを呈していない犬も含む)は中頭種群と比較して、脾臓(2.51 ± 0.45 m/s; p < 0.001)および肝臓の硬度が高く、その値は内側左葉・右葉(1.53 ± 0.37 m/s), 外側左葉・右葉(1.47 ± 0.47 m/s, 1.20 ± 0.30 m/s)、尾状葉 (1.23 ± 0.40 m/s) であった。
主成分分析により、肝硬度上昇と赤血球およびアラニンアミノ基転移酵素の減少からなる分散の70%が明らかになった。
短頭種は脾臓と肝臓の硬度が高く亜急性の炎症状態であり、これもBOASの全身への影響であるといえる。
その結果、短頭種は中頭種と比較して睡眠時無呼吸症候群を呈した人と同じように、肝障害のリスクが高くなる可能性がある。


Liver and spleen elastography of dogs affected by brachycephalic obstructive airway syndrome and its correlation with clinical biomarkers.
Facin, A. C., Uscategui, R. A. R, Maronezi, M. C, et al.
Sci Rep., 2020; 30;10(1): 16156.
PMID: 32999366.

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