こんにちは!VETS CHANNNEL事務局です。

今回は、岩田 泰介先生(日本小動物医療センター)による
犬の片側乳腺切除術をご紹介いたします。

症例は、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、11歳齢、雄、9.8㎏。
右第3乳腺部に腫瘤を認め、細胞診検査により乳腺癌が疑われたため本手術を実施しました。
水平マージンを確保しながらも、最低限の侵襲で手術を進めていく流れをご確認いただけます。

◇犬の片側乳腺切除術
 https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1004128/

犬の片側乳腺切除術のPoint!


1. 正中切開ラインの検討(00:012〜02:03)
Point! 皮下脂肪組織内に浅後腹壁動静脈や外陰部動静脈が存在するため、腹部正中を意識して切開していく。


2. 尾側乳腺の剥離(02:04〜12:31)
Point! 尾側乳腺は外陰部周辺まで広がっており、その分布は個体差が大きい。切除時に膣を穿孔しないよう注意する。


3. 頭側乳腺の剥離(12:32〜23:04)
Point! 乳腺が底部固着している場合は、深胸筋筋膜も含めての切除を検討する。


4. 腋窩リンパ節の切除(23:07〜26:00)
Point!  腋窩リンパ節切除時は外側胸動静脈をランドマークとして血管沿いに剥離していき、リンパ節を同定する。この際、視野確保のため深胸筋と広背筋の間を剥離する。


5. 閉創(26:00〜39:50)
Point! タオル鉗子などで皮膚を寄せ、創縁にかかる張力を確認する。過度に張力がかかる場合はアンダーマイニングや減張縫合などで対応する。


●これまでの連載は以下のURLから閲覧できます。
https://media.eduone.jp/list/102/122/


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