診断:口腔内腫瘍(扁平上皮癌)

ハリネズミは口腔内の疾患が非常に多いエキゾチックアニマルです。
歯周病、歯肉炎の他にも、口腔内腫瘍がみられることがあります。


図 さらに大きく開口した所見
上顎臼歯の周囲が腫大しているのが認められます。


本症例は病理組織学的検査にて扁平上皮癌と診断されました。
ハリネズミの口腔内腫瘍は悪性黒色腫、エプーリス、骨肉腫など、様々な腫瘍の報告があります。

臨床症状は食欲低下、口からの出血、流涎などが主たるものです。

診断は、肉眼的に仮診断のもと、確定診断には組織生検が必須です。

治療は外科的切除が第一選択となりますが、総じて浸潤性が高い腫瘍が多く、完全切除できない症例が珍しくありません。
筆者は炭酸ガスレーザーを用いて患部の蒸散を実施しています。
再発を避けられない症例が多く、支持療法を徹底してQOLをいかに落とさないようにするかを心掛けています。


図 別の症例
口腔内を観察しなくても、外観上明らかに腫大しているケースもあります。

※薬剤の選択や投与量に関しては、成書を参考にしていただけると幸いです。

次回もお楽しみに!
(11 月 29 日 公開予定)

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進藤祐介 (うさぎと鳥・小動物の専門病院 BUNNY GRASS)

日本獣医生命科学大学 卒業(2007 年)
ハート動物クリニック(愛知県豊橋市) 勤務
田園調布動物病院(東京都大田区) 勤務

「すべての動物に平等な医療を」を信念に日々診療に取り組んでおります。
正確な診断や高度な獣医療のご提供だけでなく、愛情を持って動物に接することをお約束いたします。

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