こんにちは。VETS CHANNNEL事務局です。
今回は、田村 和也先生(たむら動物クリニック)による歯原性嚢胞(埋伏歯)をご紹介いたします。
症例はボストン・テリア、4歳3ヶ月齢、避妊雌で右下顎の腫れに気が付き来院しました。
本動画では、嚢胞壁を完全に切除するためエンベロープフラップを作成し、剥離子を用いて嚢胞壁を剥離、埋伏している下顎犬歯を分割しながら抜歯していく流れをご覧いただけます。
◇歯原性嚢胞(埋伏歯)
https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1004101/

歯原性嚢胞(埋伏歯)のPoint!

1. 切開・歯肉フラップ作成(00:10〜3:50)
Point! 水平方向にエンベロープフラップを作成し、嚢胞へアプローチする。嚢胞壁は顎骨内にも存在するため、正常歯および顎骨から嚢胞壁を丁寧に剥離する。

2. 頬側嚢胞の剥離(03:51〜18:08)
Point! 歯肉と歯槽粘膜の間に剥離子を挿入し、嚢胞壁を剥離していく。不明瞭な組織に関しては嚢胞側へ残すように注意する。

3. 埋伏歯の抜歯(18:09〜28:37)
Point! 下顎骨の舌側は薄く骨折しやすいため、歯槽骨を切削し頬側へ逃がすようにして埋伏歯を抜歯していく。

4. 舌側嚢胞の剥離(28:38〜30:47)
Point! 下顎の場合この時点で確認される軟部組織は嚢胞壁のみであるため、目視できる限り全て除去する。

5. 人工骨の充填・閉創(30:48〜37:02)
Point! 下顎骨の再生を促す足場材として人工骨を充填し、フラップを閉創して手術を終了する。
●これまでの連載は以下のURLから閲覧できます。
https://media.eduone.jp/list/102/122/