当コラムでは、獣医療現場で働く人、これから獣医療現場で働きたい人のために、就職活動に関する内容をお届けしてまいります。

今回は、Hippo-Works 2021年夏号でインタビューした合屋先生の<現場で活躍する獣医師になるためのヒント>をご紹介いたします。


Interviewee:合屋 征二郎 先生
(日本大学生物資源科学部 獣医学科獣医放射線学研究室 助教)

2014年 宮崎大学 獣医外科学研究室卒業
2018年 岐阜大学 連合獣医学研究科博士課程修了
2020年 日本大学 獣医放射線学研究室助教に就任し現在に至る
『動物の寿命を長く、QOLを高く、飼い主の負担にならない治療』をモットーに臨床・研究・教育を行う。

現場で活躍する獣医師になるためのヒント

どのような学生時代を送りましたか?
学生の頃から臨床志向が強かったので、学会などは積極的に参加していました。
しかし、宮崎から東京や大阪の会場へ参加するためには交通費や宿泊費のような参加費以外の出費がかなり負担でした。アルバイトして自分で学費も払っていたので、生活費を切り詰めてはそれらに充てていました。
苦しいときもありましたが、それに勝るくらい獣医学を学ぶことが楽しかったんです。


どうして大学で教員をされているんですか?
学部生時代に指導教員から「教員に向いているんじゃない?」と言われたことがきっかけだったと思いますが、獣医は楽しいっていうことを学生たちに知ってもらいたいという気持ちが一番の理由です。
私が100時間かけて学んだことをもし1時間で100人に教えられたとしたら、その人たちは残りの99時間を別の学習に使うことができるんじゃないかと思うんです。そう考えるとワクワクします。
獣医の仕事、臨床の仕事は楽しいんですよ。


教育に対する熱意を感じます。昨今の学習事情はどう思われますか?
私は、日本の先生方が“欧米で勉強しなきゃダメ”みたいな風潮がすごく悔しいんです。
私自身も海外の動物病院を見てきましたけど、もっと高い技術をもった先生が日本の一次診療施設にだっていらっしゃいます。私が専門とする循環器の領域にもすごい先生がたくさんいるのに、あたかも欧米に劣っているように思われることがとても悔しいです。おそらくこれは日本からの情報発信が弱いせいなんだろうなと思っています。
ただ、この思いは私が論文を書く原動力になっています。
私自身が尊敬する国内の先生方のすごさを海外にもアピールしたいという思いがベースにあるからなんです。できれば、海外から日本に勉強に来てもらいたい。でも、個人の力だけでは難しいので、国内すべての獣医療レベルを上げることが必要です。

最近、博士号を取るために大学院に進む30~40代の獣医師が多いですよね。臨床で一つの分野を突き詰めていくと、研究をやりたいと思うようになるんじゃないでしょうか。なかにはすでに著名な先生もいますが、“情報を発信する側”に立とうとしているのかなと感じます。そして今よりもう少し短いスパンで、こういう流れが連鎖していくといいですね。