みなさん、こんにちは!
東京都葛飾区で開業している獣医師の進藤と申します。
私が運営している病院は、エキゾチックアニマルの専門病院です。
当院には犬・猫はまったく来院しません。
狂犬病予防接種やフィラリア予防もないので、春の繁忙期もありません(これはよいことなのでしょうか??)。
一般的な動物病院で働く獣医師の皆さんの目には、当院のような専門病院の日常は新鮮にうつると思います。
本連載では、エキゾチックアニマル専門病院での日常を少しずつ紹介していきたいと思います。

こんなウサギをどう診断する?
ウサギが来院しました。
主訴は、歯に何かついているとのことです。
図 来院したウサギ
確かに下の歯に茶色の付着物が認められます。
一般状態に問題はみられません。
ウサギの切歯の過長は、非常に多くの診察機会があります。
その原因には品種や遺伝、事故など、さまざまな要素がありますが、過長してしまった切歯は治療する必要があります。
本来、ウサギの切歯は口唇に覆われていて、外貌からは観察できないことがほとんどです。
そのため、身体検査ではその点を注意して観察するとよいでしょう。
図 ウサギの正面の外貌
そのままでは、切歯を観察することはできません。
図 切歯の異常
口唇をめくり上げると、切歯が観察されました。
咬合面も不正で、下顎切歯の片側は欠損してしまっています。
あなたの考える鑑別疾患は何でしょうか?