こんにちは。VETS CHANNNEL事務局です。
今回は、林宝 謙治先生(埼玉動物医療センター)による前立腺摘出術をご紹介いたします。
術前画像診断および生検にて膀胱三角部への浸潤のない前立腺癌と診断された症例における、前立腺摘出術の手術動画です。前立腺、特に前立腺癌の外科は、しばしばアプローチが困難であること、またマージン確保や術後合併症リスクなどにより症例選択が難しく、高度な知識と経験を必要とする分野です。
本動画では、視野確保や膀胱-尿道縫合における手技のポイントを詳細に解説していただきました。
既に外科手術を複数経験されている先生にも、ぜひ一度ご覧いただきたい内容となっております。

前立腺摘出術のPoint!

1. 切皮〜前立腺アプローチ(00:12〜11:30)
Point! 恥骨3点骨切り術により骨盤を開けて、視野を確保する。
この際に坐骨側は完全に切り離さず、背側皮質を一部残すようにする。

2. 前立腺の露出・分離、精管の処理(11:30〜25:30)
Point! 前立腺は厚い脂肪に包まれているため、慎重に剥離し、尿管や後膀胱動脈など主要な血管を誤って損傷しないように注意する。

3. 前立腺切除(25:30〜35:30)
Point! 尿道側切断時は、一気に離断すると尿道が骨盤腔内に落ちてしまうため、半周切った段階で縫合糸をかけて保持しておくとよい。

4. 膀胱頸-尿道の縫合(35:30〜50:10)
Point! 先に尿道側に全周糸を通しておき、尿道カテーテルをガイドにしながら、張力バランスを考慮しつつ膀胱と縫い合わせる。

5. 恥骨の整復、洗浄、閉腹(50:10〜1:01:38)
Point! 腹壁の切開は広く骨盤まで達しているため、特に尾側は細かく縫合する。
こちらの動画はVETS CHANNELにてご視聴いただけます。
◇前立腺摘出術
https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1004086/
ぜひご覧ください!
●これまでの連載は以下のURLから閲覧できます。
https://media.eduone.jp/list/102/122/