耐性化が深刻な犬猫の感染症へ、新しい感染症治療法であるファージセラピーを実用化する研究について、医療法人社団予防会(本社所在地:東京都新宿区、代表:下村 正美)は、早稲田大学・ハナ動物病院と共に取り組んでいます。2022年4月25日より、この研究の資金を集めるクラウドファンディングを開始し、成功率90%の基準となる開始5日以内での20%以上の達成率をクリアしました。
エビデンスに乏しい医療情報も錯綜している現代の状況において、治らなくなる危機が迫っている犬猫の感染症に関する、“正しい”情報を提供し、世間の認知も高めるために、クラウドファンディングイベントを行います。保護犬猫活動の第一線でご活躍されているハナ動物病院院長太田先生、国内で数人しかいないアジア獣医皮膚科専門医の犬と猫の皮膚科院長村山先生をお迎えして、2022年5月24日21時30分より「犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会」を開催いたします。

【予防会の取り組み】
医療法人社団予防会は、性感染症検査・治療を中心に行っています。性感染症含め、感染症には、薬剤耐性菌の脅威が迫っています。2050年には耐性菌による感染症の死亡が世界第一位の死因となると予想され(O'Neill, J. Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations. 2016)、性感染症においても、例えば、淋菌に対する第一選択薬のセフトリアキソンの耐性菌が増加し、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)から、セフトリアキソン単独療法は推奨しないと発表されるに至っています(日本と欧米では用量が異なるため、日本の用量では現在でも単独療法が可能と言われてはいます)(St Cyr S, Barbee L, Workowski KA, Bachmann LH, Pham C, Schlanger K, Torrone E, Weinstock H, Kersh EN, Thorpe P. Update to CDC's Treatment Guidelines for Gonococcal Infection, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020 Dec 18;69(50):1911-1916.)。
そこで、予防会グループの1つである新宿サテライトクリニックの院長を務める北岡を中心として、早稲田大学と協同し、新しい感染症治療法の研究開発にも取り組んでいます。

ニュース概要


【クラウドファンディングついて】
現在注力しているのが、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を使用したファージセラピーという治療法の実用化です。ファージセラピーとは、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を用い、感染症を引き起こしている細菌を死滅させて、感染症を治癒する治療法です。実は、1920年代に実際に使用されていましたが、抗生物質の隆盛により廃れていました。しかし、昨今の薬剤耐性菌の増加に伴い見直されています。
様々な検討を重ね、映画「犬部!」のモデルとなった、保護犬猫活動の第一線でご活躍されているハナ動物病院の太田先生のご協力を得て、まずは、犬猫の感染症に対するファージセラピーの実用化を目指すことにしました。
昨今、製薬会社はコストが見合わない等の理由から新しい感染症治療薬の開発を行わなくなっており、医療機関として独自に開発する必要があります。しかし、予防会だけでは規模が小さく、研究費という面で苦労しており、クラウドファンディングを開始しました。成功率90%の基準となる開始5日以内での20%以上の達成率(https://readyfor.jp/sapuris/3)をクリアしましたが、まだまだご支援が必要な状況です。


【クラウドファンディングイベントについて】
クラウドファンディングも行い、予防会として現在研究開発で注力している対象疾患は犬や猫の感染症ですが、それらの現状について十分に世間で認知されているとは言えません。
ヒト同様、犬や猫の感染症の薬剤耐性化の速度は著しく、悲惨な状況です。例えば、犬の感染症の主要な病原菌であるスタフィロコッカス・シュードインターメディウスという細菌の危険な耐性菌(MRSP)は、スタフィロコッカス・シュードインターメディウスの中で67%を占めると報告されています(Kawakami T, Shibata S, Murayama N, Nagata M, Nishifuji K, Iwasaki T, Fukata T. Antimicrobial susceptibility and methicillin resistance in Staphylococcus pseudintermedius and Staphylococcus schleiferi subsp. Coagulans isolated from dogs with pyoderma in Japan. J Vet Med Sci. 2010 Dec;72(12):1615-9.)。研究協力いただいている太田先生の実際の診療現場でも、動物病院で使用できる抗生物質が何も効かず、治癒しない感染症があるということです。膿皮症と呼ばれる皮膚の感染症で遭遇することが多く、その場合、犬は痒みが止まらず、夜も十分に寝られず、一日中しょんぼりしているという非常に可哀想な状態になるということでした。このままでは、そのような状況が多発するようになると言われています。
また、現在、インターネットの普及により、一般の方々でも様々な医療情報を目にするようになりました。しかし、正しくない情報も紛れています。予防会としても、正しい医療情報の発信の必要性を感じ、毎月エビデンスに基づいた医療情報コラムの配信を行っています。犬や猫の医療情報に関しても同様、情報が混沌としている状況です。
そこで、本クラウドファンディングで研究対象としている犬や猫の感染症について、認知を高め、正しい情報を発信するために、クラウドファンディングイベントを行うこととしました。Zoomを用いたYouTubeライブで、2022年5月24日21時30分より「犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会」を開催いたします。お話しいただく先生は、研究協力いただいているハナ動物病院太田先生と、犬と猫の皮膚科村山先生です。村山先生は、国内で数人しかいないアジア獣医皮膚科専門医でおられ、まさに、“正しい”犬や猫の感染症に関する知識を吸収することができます。また、太田先生には、保護犬猫の感染症の現状を中心にお話しいただきます。参加費は無料で、コメントに記載いただければ、質疑応答可能です。お時間の都合がつく方は、ぜひご参加いただだけば幸いです。

【クラウドファンディングの概要】
クラウドファンディング名 : 感染症に苦しむ犬猫たちを救うために、感染症治療法の研究を
クラウドファンディングURL: https://readyfor.jp/projects/yoboukai2022
目的 :耐性化が深刻な犬猫の感染症へ、新しい感染症治療法であるファージセラピーを、実用化する研究を行っています。不足している研究費を獲得するために、クラウドファンディングを開始します。
目標金額:150万
期間 :2022年4月25日10時-6月17日23時
使途 :犬猫の感染症へのファージセラピー研究を進めます。実用化に最適なファージの探索を行い、論文化まで行います。さらに資金が獲得できれば、ファージを実際に実用するために必要な性質の確認(安定性試験など)を行います。
SNS : https://twitter.com/kazukimizukiros
https://www.facebook.com/kkzuki.of.mskk/
https://www.instagram.com/kitaokakazuki/
動画: https://youtu.be/Yvuio8v3nPM

【クラウドファンディングイベントの概要】
クラウドファンディング名:犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会
クラウドファンディングイベントURL:https://youtu.be/App4dXyYHcM
内容 :獣医師2人をお迎えして、膿皮症を中心に犬や猫の感染症について、概説、苦労した症例、保護犬猫の感染症などをお話しいただきます。コメントいただければ、質問にもお答えいたします。
日時 :2022年5月24日21時30分-22時30分参加費:無料


こちらの記事もおすすめ