みなさん、こんにちは!
東京都葛飾区で開業している獣医師の進藤と申します。
私が運営している病院は、エキゾチックアニマルの専門病院です。
当院には犬・猫はまったく来院しません。
狂犬病予防接種やフィラリア予防もないので、春の繁忙期もありません(これはよいことなのでしょうか??)。
一般的な動物病院で働く獣医師の皆さんの目には、当院のような専門病院の日常は新鮮にうつると思います。
本連載では、エキゾチックアニマル専門病院での日常を少しずつ紹介していきたいと思います。

ネズミじゃないよ!ハリネズミ
近年人気が高まっているのがハリネズミ。
一言でハリネズミといっても分類学上はたくさんの種類がいて、特定外来生物として法律によって飼育が禁じられている種類もいます。
その中でも、ペットとして流通しているのはヨツユビハリネズミという種類で、ピグミーヘッジホッグとも呼ばれています。
このハリネズミ、名前こそネズミが付いていますが齧歯類ではなく、真無盲腸目という分類がされています(以前は食虫目とされていました)。
どちらかというと、ネズミよりモグラの仲間に近いですね。
このペットのヨツユビハリネズミ(以下、ハリネズミ)がすご〜く人気なのです!
つぶらな瞳と意外や意外、針を立てずに掌の上でハンドリングができたり(個体差はあります)、テケテケ歩く姿の虜になる人が続出!
ドッグカフェ、猫カフェならぬ「ハリネズミカフェ」なんてスポットもあるくらいです。
これは個人的な推察に過ぎませんが、ハリネズミ飼育の普及に最も貢献したのは、何といっても人工飼料の開発ではないでしょうか?
食虫目と呼ばれていたのですから、本来の主食は虫です。
かわいらしいハリネズミを飼いたいのにミルワームやコオロギをあげるのはちょっと・・・という方の飼育のハードルをぐっと下げたのが、この人工飼料だと思います。
ドッグフードやキャットフードと同じように給餌できるのですから、とても簡単です(その便利すぎるゆえに、弊害として本来の食性を知らない人も増えてきてしまってもいますが・・・)。