株式会社システムクリエイト(本社:大阪府東大阪市荒本新町、代表:川上正義)は、Formlabs社の3Dプリント技術を使用して、Mystic Aquariumとこのプロジェクトチームが海ガメの「バブルバット症候群」の治療に成功した事例を紹介します。海ガメ「シャーロット」の救命プロジェクトにて、3Dプリントが持つ可能性が大きく発揮されました。
https://youtu.be/A-Y0YGzMnug

ニュース概要

3Dプリント技術で海ガメが「バブルバット症候群」を克服

課題:深刻なバブルバット症候群の影響

2008年、ジョージア州のジェキル島で保護された海ガメ「シャーロット」は、船との衝突による「バブルバット症候群」(正浮力症候群)を患っていました。この病気は、甲羅の変形によって空気が溜まり、泳ぎや食事が困難になるものです。

当初、獣医チームは甲羅に重りを直接貼り付ける方法や布製の重りベルトを試しましたが、いずれも効果が持続しませんでした。甲羅への刺激や耐久性の問題に加え、シャーロットが簡単に重りを外してしまうという課題が立ちはだかりました。この状態が続けば、彼(命名後、雄であることが判明)の健康がさらに悪化する恐れがありました。


シャーロットのバブルバットを重くするため、甲羅に直接重りを貼り付けるなど、いくつかの方法を試しました。


この布製ハーネスは成長に合わせた調整が可能ですが、ハーネスが十分にフィットしていなかったため、シャーロットはハーネスを削って取り外してしまいました。


解決策:Formlabs製品を活用したカスタム3Dプリントハーネス

シャーロットを救うため、Mystic Aquariumのチームは3Dプリント技術を活用した新たなアプローチを採用しました。高精度スキャンを基に、完全にフィットするカスタムハーネスを設計することで、これまでの課題を克服する道が開かれました。


3Dスキャンにより得られた3Dデータにより、シャーロットのためのカスタムハーネスを生成する計算モデルをデザインすることができました。


ニューバランスのコンピュテーショナル デザインの技術を使用してシャーロットに最適なモデルを作成しました。


プロジェクトには複数の専門家が集結。3Dスキャン技術を提供するFunctional 3D( https://f3dscans.com/ )、設計を担当したニューバランス( https://www.newbalance.com/ )のチーム、そして3Dプリントソリューションを手掛けるAdiaが協力しました。

FormlabsのFuseシリーズ( https://systemcreate-inc.co.jp/products/fuse-1#constitution )は、軽量かつ耐久性に優れた素材「Nylon 11 CF Powder」を活用することで、シャーロットの負担を軽減しながら長期使用に耐えうるハーネスを製作。特に、設計の自由度が高いSLS(選択的レーザー焼結)方式を採用したことで、甲羅の複雑な形状にもぴったりとフィットするデザインを実現しました。


プロジェクトリーダーのGondek氏は、「3Dプリントの柔軟性が、海ガメの健康と快適さを両立するデザインを可能にしました」と語ります。