第1回で、中医学のことを少し「気」になってくださった先生方も、日々の忙しい診療の中では、「そんなこと悠長に考えてられない!」と思われることもあるでしょう。
しかし中医学は、自然哲学と治療経験の積み重ねから生まれた医学ですから、心得ていると自分の健康や生き方にも良い影響を与えてくれます。
今回は中医学的なからだの診方、とらえ方をお話します。

全体を診る中医学

中医学では精神を含めた生体をひとつの「統一体」として診ます。そしてそれは自然界(宇宙)と対応しているという考え方をします。

「えっいきなり宇宙とか出てきた…」と警戒される方もいるかもしれません。
これはどういうことかと言うと、生命体ひとつひとつには固有の環境(小宇宙)があって、それが外側の自然環境(大宇宙)の変化ともリンクしている、とイメージしていただくと良いかと思います。

そしてこの、小宇宙の局所で起きていることだけに注目するのではなく、全体を診る捉え方を「整体観念(せいたいかんねん)」と言います。  

その中でも、からだの中の臓器:五臓(肝/心/脾/肺/腎)と季節の関係も大切です。それぞれ春/夏/長夏(蒸し暑い時季をイメージしてください)/秋/冬と対応しますが、「気」の動きも季節によって特徴があるのです。それによって、起こりやすい病気や症状も変わってきます。


例えば、春にてんかん、湿気の多い時季に下痢や嘔吐、寒くなってくると椎間板ヘルニアが増えるな?などと感じることはないでしょうか。また、「毎年この時季になると必ず体調を崩す」という患者さんもいらっしゃるでしょう。

病気だけに注視していると気づきにくいものですが、季節や気候(大宇宙)との関係にも気を付けておくと、来年は調子が悪くなる前の季節から気をつけて養生や治療していこうなどと、対策を講じることもできます。