薬は有効性のみに注目せずに副作用にも細心の注意を払う

ガン免疫療法は、医薬品が直接ガン細胞を攻撃するのではなく、もともと体内に備わっている免疫の力を利用して、ガン細胞の攻撃力を高めるものなのです。現在、効能効果としては、「悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」と様々なガンに対して効果があることが知られています。原理を考えれば今後もさまざまなガンに対する効能が追加される可能性があります。なお、その有効性のみに注目されて影に隠れていますが、医薬品ですので多くの副作用も報告されています。

例えば間質性肺疾患、重症筋無力症・心筋炎・筋炎・横紋筋融解症、大腸炎・重度の下痢、1型糖尿病、免疫性血小板減少性紫斑病、甲状腺機能障害、副腎障害、腎障害、神経障害、重度の皮膚障害、静脈血栓栓塞症などが知られています。どうしてもガンの治療薬となると有効性に目がいってしまいがちですが、身体全体に張り巡らされた免疫ネットワークの一部を遮断することに付随する新たな副作用にも細心の注意を払うことが求められます。ガンの免疫学的な治療には、担当する医師の熟練した技術と知識が求められる領域でもあるのです。