2019年、米国獣医内科学会(ACVIM)により犬の粘液腫様僧帽弁疾患(MMVD)の新たなガイドラインが策定された※1

犬のMMVDは、最も頻繁に認められる心疾患であり、無徴候期間が長く、生涯にわたり無治療で経過する症例も存在すれば、うっ血性心不全や死亡に至る症例も存在する。

これらの臨床ステージの重症度の評価法や治療法は日進月歩であり、2009 年に本疾患について初めてのガイドラインがACVIMから報告されて以降※2、多くの臨床研究が実施されてきた。

本連載記事では、12 回にわたって、2019 年にACVIMより報告された「犬のMMVDの診断・治療ガイドライン(2019 ACVIM コンセンサスステートメント)」を要約して掲載するとともに、重要と思われるポイントに解説を加えていく。

第11回は第 6 章「6 | GUIDELINES FOR DIAGNOSIS AND TREATMENT OF MMVD」のステージ D症例に対するガイドラインの急性期治療にあたる箇所の翻訳を記載する。

ステージ Dの急性期治療


※1 この投与量の推奨は、米国食品医薬品局が承認したピモベンダンの添付文書外のものであり(適応外使用)、このような薬剤の使用については飼い主に説明し、承認を得る必要がある。


■執筆者プロフィール
川元 誠(Sei Kawamoto)
2016 年:北海道大学 獣医学部卒業
2016 年:松原動物病院 勤務医
2018 年:動物心臓血管ケアチーム(JACCT, Japan Animal Cardiovascular Care Team)所属
2020 年:北海道大学大学院獣医学院 博士課程入学


■監修者プロフィール
中村健介(Kensuke Nakamura)
2005 年:北海道大学 獣医学部卒業
2005 年:酪農学園大学附属動物病院 内科研修医
2007 年:北海道大学 大学院獣医学研究科 博士課程入学
2011 年:北海道大学 大学院博士研究員(日本学術振興会特別研究員PD)
2011 年:北海道大学 大学院獣医学研究科 附属動物病院 助教
2017 年:宮崎大学 テニュアトラック推進機構(獣医内科学分野)テニュアトラック 准教授
2020 年:北海道大学 大学院獣医学研究院 獣医内科学教室 准教授

本連載の記事は以下のリンクから読むことができます
https://media.eduone.jp/list/106/113/


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