イベント概要

日時:令和3年8月17日(火)9:00−17:00 (1日開催)

開催方法:オンライン開催、開催後オンデマンド配信 3ヶ月

参加登録方法:7月31日以降に研究会HP(http://www.verms.or.jp)よりお申込みください。
開催当日視聴参加の場合は8月10日までに手続完了をお願いします。
Web上で24時間受付可能です。
または7月20日〜8月10日まではメール(jimu@vems.jp)でも参加登録を受付ています。

参加登録期間:7月31日〜8月31日

参加費(本会は事前登録のみ)
会員5000円、非会員7000円

年次大会へのご質問は、当研究会事務局(jimu@verms.jp)まで
年次大会内容は、https://www.sagamigaoka-ac.com/respiratory/犬・猫の呼吸器臨床研究会verms-study-groupについて/ でもお知らせしております。

内容
8:55 開会あいさつ 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

9:00-12:00 Ⅰ 総論 犬・猫の呼吸器の代表的な疾患 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)40分講義(ライブ)+10分質疑応答(ライブ)X3コマ
今年秋に、犬・猫の呼吸器臨床研究会編 「一般医のための犬・猫の呼吸器疾患」が発刊予定となりました。日頃臨床医が困る飼い主への正確なインフォメーションを行うために重要な情報を簡潔にまとめたソフトカバーの本です。図や動画も豊富に取り入れました。今後、標準書となるように、文献情報に基づき記述し昨今の重要な情報をとりいれました。この一冊に本邦で日々遭遇しうる犬・猫の呼吸器疾患をカバーいたしました。今回の講義は、発刊に先立ち、その書籍の内容に即したものとしました。呼吸器疾患は単独で生じることは少なく、常に上気道、中枢気道、末梢気道・肺実質疾患を系統的に関連付けて考察して治療にとりかからないと治療効果は得られません。それには鼻から肺までの主要な疾患を知る必要があります。第1回年次大会で定義し、書籍で取り上げた鑑別疾患リストの計83疾患の中から、各区分の代表疾患について概説します。

13:00-13:50 Ⅱ 研究会業績報告 喉頭蓋の後傾の病態と治療 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科)40分講義(録画)+10分質疑応答(ライブ)X1コマ
喉頭蓋の後傾とは、本来吸気時に前屈し喉頭口を広げるはずの喉頭蓋が、何らかの原因により後屈してしまい喉頭口を閉塞することで呼吸困難を生じる疾患である。現在のところその原因は解明されていない。これまであまり認識されていない疾患であったが、呼吸器診療では比較的遭遇することが多く、実際には見逃されている可能性がある。喉頭蓋の後傾の症状や診断法を解説するとともに、これまでの報告と当院呼吸器科で経験した29例から喉頭蓋の後傾の病態を整理する。また、喉頭蓋の後傾の治療として呼吸困難が持続する場合には病態に応じて喉頭蓋に対する外科的治療を検討する必要がある。これまで喉頭蓋の後傾に対して喉頭蓋の固定術や亜全摘出術、部分切除術などの術式が報告されているが、どのような術式が最善かは結論が出ていない。当院では喉頭蓋V字状部分切除術を実施し良好な経過が得られており、その術式を紹介する。

14:00-15:00 Ⅲ 症例報告 2題 1時間 各演題15分発表(録画)+10分質疑応答(ライブ)

1 気管支鏡検査にて犬の肺虫症と診断し、フェンベンダゾールとプレドニゾロン投与にて良好な経過を示した1例
上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)
症例は、ビーグル犬、オス、12歳。1年半前に沖縄から横浜へ移住。2週間前より咳、スターター、いびき、膿性鼻汁、くしゃみの主訴で当院を来院した。犬・猫の呼吸器科にて、鼻鏡、喉頭鏡、気管・気管支鏡検査を実施した。複数の気管支が管外性圧迫にて狭窄、左鼻腔に根尖膿瘍あり。BALF細胞診にて慢性活動性炎症パターンとともに、線虫類を疑う虫体が散見され、形態学的に犬肺虫症と診断した(Filaroides hirthi) 。治療は、1) フェンベンダゾール内服投与、2) プレドニゾロン内服投与、3) ネブライザー療法(生食、GM、ボスミン, ビソルボン)、4)ビクタス内服投与を14日間投与した。治療後経過は良好で、治療終了後約1年間咳の症状はほぼ無い。犬肺虫症の確定診断は気管支鏡にて可能であった。西日本に多い疾患であるが、今回横浜で確認された。犬肺虫症は流行地域外でも鑑別疾患から除外できないことを示した。

2 アロマ吸引後に呼吸困難を呈し濾胞性細気管支炎と診断した猫の1例
城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
猫のアロマ吸引による呼吸器毒性については逸話的情報に限られている。今回、アロマ吸引後に呼吸困難を発症し、外科的肺生検にて濾胞性細気管支炎と診断した猫の1例を経験した。7歳、去勢済みオスの雑種猫が、アロマ噴霧吸入開始1週間後に努力呼吸を示した。噴霧は中止されていたが、1週間後偶然猫がその部屋に入ったときに呼吸促迫となり夜間救急病院受診した。びまん性肺疾患と診断されステロイドに部分的に反応した。その後3ヶ月経過しても小康状態のため当院呼吸器科受診となり、気管支鏡検査にて気道異物、感染、好酸球性肺疾患を除外、組織検査にて腫瘍を除外し、濾胞性細気管支炎に相当する所見を認めた。その後、在宅酸素療法、プレドニロン1.25mg/kg PO BIDにて、第143病日以降、呼吸症状は安定した。第372病日にプレドニゾロンを0.7mg/kg PO SIDまで漸減すると再発し、同1.0mg/kg PO SIDで回復した。現在第502病日、同用量で維持し再発はない。アロマ成分はtea tree oilであった。

16:00-17:00 Ⅳ 症例相談 3題 1時間 各演題10分発表(録画)+質問回答(ライブ)10分
症例相談回答担当-呼吸器:山谷吉樹(日大)、城下幸仁(犬・猫の呼吸器科);循環器:青木卓磨(麻布大);病理:三井一鬼(岡山理科大)

1 肺高血圧症を認めた犬の間質性肺炎2例
平川篤(ペットクリニックハレルヤ粕屋病院)
症例1は、15歳、未去勢のミニチュアダックスフント、症例2は、13歳、未避妊のミニチュアダックスフントで急性呼吸困難にて来院した。2例とも胸部X線検査にて、びまん性の不透過性亢進像が認められたため、肺炎あるいは肺水腫を疑った。心エコー検査にて、心室中隔の扁平化、三尖弁逆流(症例1:4.64m/sec、症例2:5.31m/sec)を認めたため、肺疾患に伴う重度肺高血圧症と仮診断した。治療は、ICU下にて、ドブタミン+ミルリノン、フロセミドの持続点滴、デキサメサゾンの皮下注射を実施した。症例1には、シルデナフィルの経口投与、症例2には、シベレスタットの持続点滴も併用した。症例1は5日間のICU管理にて回復したが、第72病日に再び呼吸困難を呈し、第81病日に死亡した。症例2は、第5病日にICU下にて死亡した。病理検査にて、症例1は亜急性〜慢性、症例2は急性ないし亜急性間質性肺炎と診断された。

2 難治性咳を示した肺葉硬化の犬の1例
新実誠矢(麻布大学)
症例は14歳6ヵ月齢,体重6.5 kg(BCS 3/5),雑種の避妊雌で,来院する4ヵ月前から間欠的に生じていた咳の悪化を主訴に来院した。副雑音は聴取されず,血液ガスも正常範囲内であった。超音波検査で1.2×1.0 cmの腫瘤性病変と気管支内の液体貯留を認め,肺葉硬化と診断した。細胞診の所見は慢性炎症であった。咳が悪化し,かつ胸水貯留が生じたため第26病日にCTおよび気管支鏡検査を実施した。CT検査で右前葉主気管支に充実性病変を認め,気管支鏡検査においては同部位に気道を閉塞する白色の塊状病変を認めた。粘性が高い喀痰を伴っており,鉗子および吸引を行ったところ,最大で5mm程度の消しゴム程度の硬さの喀痰が摘出された。細菌は検出されず,細胞診では少数の異型細胞を含む慢性炎症との診断であり,内科的治療に反応しなかったことから肺葉切除を勧めたが,年齢を理由に選択されなかった。本症例での鑑別診断,診断法,治療法をご相談したい。

3 免疫介在性間質性肺疾患によって生じた縦隔気腫を疑いステロイドおよびシクロスポリン投与によって管理した犬の1例
谷口哲也(兵庫ペット医療センター東灘病院)
症例は雑種犬、避妊雌、14歳で4カ月前からの食欲不振と体重減少、3日前からの運動後のチアノーゼと開口呼吸を主訴に来院した。初診時、胸部X線検査で縦隔気腫を認め、初期安定化により第6病日に縦隔気腫は消失した。しかし第15病日に再び縦隔気腫を認めたため、精査を行った。動脈血ガス分析では低酸素血症と高炭酸ガス血症を認め、リウマチ因子は陽性であった。胸部CT検査では胸膜肥厚像、胸膜直下のHoneycomb、胸膜下間質性肥厚および肺野に局所的なすりガラス様陰影と硬化像を認めた。免疫介在性間質性肺疾患を疑いプレドニゾロン(2 mg/kg, SC, SID)、シクロスポリン(5 mg/kg, PO, SID)、運動制限および酸素投与を行い縦隔気腫は消失し、臨床徴候に改善を認めた。現在172病日で軽度の運動不耐性と努力呼吸を認めるが、縦隔気腫は再発していない。本症例の検討項目として①縦隔気腫に至った原因、②治療後も運動不耐性と努力呼吸を認める点について議論できればと思う。

17:00 閉会あいさつ 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

*開催中質問受付コーナーをつくり終日チャットで対応

開催後17:30−18:30 自由参加で別会場にて、症例相談、質疑応答、討論会など

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰(治療後少なくとも2ヶ月経過、できれば6ヶ月以上の経過観察あり)、などの詳細データが全て揃っているもの。
2)症例相談:確定診断には至っていないが、本研究会で相談したい症例。


本会の開催案内チラシはこちら
https://eduward.jp/wp3/wp-content/uploads/2021/07/vems210716.pdf


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