人体用抗菌薬の使用状況

多くの小動物医療施設において人体用の抗菌薬が適応外使用されているという話が公然と語られてきました。そして、医療で問題となっている薬剤耐性菌を生み出し、家庭内での犬や猫から飼い主であるヒトへと薬剤耐性菌が伝播しているとも言われてきました。

世界的な医療における薬剤耐性菌の蔓延から、世界保健機関(WHO)は 2015 年に「抗菌薬耐性グローバルアクションプラン」を制定し、薬剤耐性菌対策の強化を図りました。日本でも 2016 年に「抗菌薬耐性(AMR)対策アクションプラン」を制定し、WHOの戦略的目標を達成するため、各種の対策を推し進めているところです。

このような背景から、日本獣医師会はこれまでまったく不明であった小動物病院における抗菌薬の使用実態を明らかにするため、各地域の獣医師会の協力の下、アンケート調査を行いました。この結果、小動物病院における抗菌薬の使用実態が初めて明らかにされましたので、今回はこの調査成績の概要を紹介したいと思います。