ペット保険シェアNo.1(※1)のアニコム損保を子会社に持つアニコム ホールディングス株式会社(代表取締役 小森 伸昭、以下 アニコム)は、グループをあげて2017年よりペットの遺伝病撲滅に取り組んでいます。主にブリーダー様や取引先のペットショップ様に向けて、遺伝子検査の提供と、その結果にもとづく適切なブリーディングや販売の提案を行ってまいりましたが、このたび当該取り組みの成果として、遺伝病の『撲滅(※2)』あるいは『管理(※3)』に至ったと判断できる状況になりましたのでお知らせいたします。

※1:シェアは、各社の2020年の契約件数から算出。(株)富士経済発行「2021年ペット関連市場マーケティング総覧」調査

※2:本リリース内における『撲滅』とは、アニコムグループが提供する遺伝子検査を利用しているブリーダー様またはペットショップ様から飼い主のもとへ、当該遺伝子検査で確認できる遺伝病の遺伝子を保有した犬猫を3ヶ月以上連続して引き渡ししていないことを言います。

※3:本リリース内における『管理』とは、当該遺伝子検査で確認できる遺伝病の遺伝子を持つ個体が誕生しているものの、その遺伝病は致死的なものでなく、アニコムグループが提供する遺伝子検査を利用しているブリーダー様またはペットショップ様から飼い主に対して事前にそのリスク等が説明され、飼い主もそのリスク等を理解した上での引き渡しが3ヶ月以上連続して行われていることを言います。

ニュース概要

■『ペット』には、そもそも遺伝病が多い

犬種や猫種といったペットの品種は、その遺伝的特徴をより際立たせるべく、人間が交配(ブリーディング)を繰り返すことで生み出したものです。そのためペットの場合、他の生き物と比べて非常に血が濃くなっていると同時に、病気の遺伝子(=遺伝病)も色濃く受け継いでしまいました。したがって、遺伝病を減らすことは、ペットを生み出した私たち人間の責任であると、アニコムでは考えています。

・撲滅すべき遺伝病と、管理すべき遺伝病がある

遺伝病には、「致死的な病気」と「QOLを低下させるものの生存可能な病気」があります。アニコムでは、前者を『撲滅』すべき遺伝病、後者を『管理』すべき遺伝病と位置づけ、協力してくださるお取引先様とともに取り組みを進めてまいりました。なおすべてを『撲滅』すべきとしていないのは、特定遺伝病の撲滅のみを考えて交配を繰り返してしまうことで、逆に遺伝的多様性が低下し、近親交配のリスクが高まることを避けるためです。


■コーギー、シェパード、柴犬、トイ・プードル等の遺伝病の撲滅・管理

①「致死的な病気」の『撲滅』に向けて

致死性の遺伝病として、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークやジャーマン・シェパード・ドッグに多いことで知られる「変性性脊髄症(Degenerative Myelopathy:DM)」、柴犬に多い「GM1ガングリオシド―シス」が挙げられます。いずれも神経症状を呈し、最終的には死に至る病気です。これらの3犬種・2疾患については、アニコムグループが提供する遺伝子検査を実施しているブリーダー様・ペットショップ様において、『撲滅』に向けた取り組みの成果を確認することができています。
例えばコーギーのDM(変性性脊髄症)であれば、図(※4)のように全体的にアフェクテッド※5の割合が減少傾向にあります。さらに子犬に限って言えば、3ヶ月以上当該遺伝病の遺伝子を保有する個体のお引渡しは行っておりません。現状の検査体制を継続していくことで、今後飼い主に引き渡される上記3犬種については当該遺伝病が発症しない、すなわち『撲滅』可能な状況に至ったと判断いたしました。



※子犬の検査は2019年4月より実施スタート


▲コーギーの“ミュウモ”ちゃん、現在13歳。DMによる後肢麻痺のため、車いすで闘病中。 「DMなんて切ない病気は世の中から無くしたいし、無くせる病気だと思う(飼い主のAさんより)」


▲シェパードの“二代目神輿の松”くん、享年11歳。「一番つらかったのは松ですが、本当に撲滅したい。これ以上同じように苦しむ子を、増やしてほしくないと思います(飼い主のBさんより)」


②「QOLを低下させるものの生存可能な病気」の『管理』に向けて

日本で人気No.1の犬種であるトイ・プードルで発症が多い遺伝病として、「進行性網膜萎縮症(Progressive Retinal Atrophy:PRA)」が挙げられます。視力が低下し最終的には失明に至る病気のため、ペットにとっても飼い主にとっても辛い病気ですが、犬は人間ほど視力に頼らず生きていると言われているため、適切な住環境等を整えるなどで病気とつきあっていくことが可能です。このPRAに関する遺伝子検査が広がるとともに、遺伝的多様性を保持した状態でできる限りアフェクテッド(※5)の割合の減少を実現しつつ、一方でリスクを保有している個体については飼い主に対して事前に十分にそのリスクを伝えた上で引き渡しを行っている状況が認められました。現状の検査体制を継続していくことで、今後飼い主に引き渡されるトイ・プードルに関しては、ペット業界として適切に『管理』可能な状況に至ったと判断いたしました。


※4:掲載しているグラフは、いずれもアニコムグループが遺伝子検査を行っているブリーダー様・ペットショップ様のデータに限ります。


※5:アフェクテッドとは、遺伝子検査の結果として示されるものの1つで、ほかの結果の種類として「クリア」「キャリア」が存在します。検査対象の遺伝病が発症する原因遺伝子を持っていない場合を「クリア」、素因がある場合を「キャリア」、発症リスクがある場合を「アフェクテッド」といいます。


■保険会社の真の役割は“予防”である

大事なペットがケガや病気になって喜ぶ飼い主はいませんが、こうしたケガ・病気に関するデータは、保険金請求などを通じて大量に保険会社に集まってきます。たとえばどのような犬種が、どのような年齢で、どのような病気にかかりやすいのかという傾向が把握できます。こうしたデータを活用し、ケガや病気を未然に防ぐこと、つまり“予防”こそが、保険会社グループであるアニコムの真の役割であると考えています。今回の遺伝病撲滅・管理についても、そうした想いから取り組みを進めています。
しかし実際にはまだまだたくさんの遺伝病が存在し、苦しんでいるペットが存在していることも事実です。今後もアニコムでは、遺伝病の『撲滅』あるいは『管理』を一歩ずつ実現することで、ペットとその飼い主のQOL向上に資するべく、ペット業界全体と協力して引き続き尽力してまいります。


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