日本トリムと理化学研究所の共同研究グループは、電解水素水(※1)の共同研究成果とこれまでの水素研究の知見を元に作成した総説論文を出版社MDPI(本社:スイス)の「Antioxidants」誌のSpecial issue(特集号)に投稿し、2024年3月2日に掲載されました。
※1 電解水素水は、水道水を整水器で浄水・電気分解することで得られる、弱アルカリ性で分子状水素含む飲用の水

ニュース概要

概要
この総説論文では、電解水素水の多彩な健康上の利点とその推定作用機序等に関して述べられています。

要点
(1)電解水素水の多彩な健康上の利点

多彩な利点としては、抗酸化、抗炎症、鎮痛効果、抗疲労効果、抗細胞死効果、抗糖尿病効果、抗腫瘍効果が、研究対象と効果の概要と共に紹介されています。


(2)推定作用機序
推定作用機序としては、電解水素水中の水素分子(H2)がヒドロキシラジカルやペルオキシナイトライトと反応し、ラジカルを消去します。それにより、細胞内の抗酸化能は上昇、逆に活性酸素種や活性窒素種は低下し、結果、酸化ストレスは低下します。その相互作用を受けている炎症性サイトカインも低下し、炎症も抑制します。最終的に、関節炎、悪性腫瘍、糖尿病、炎症性腸疾患等のリスクも低減しますと紹介されています。
結論として、今回の総説論文では、多くの精力的な動物実験結果とまだ少数ながらヒトへの臨床研究成果により電解水素水の多彩な利点があることをまとめて示されています。また、今後、さらにヒトにおける異なる水素濃度や給水タイミングや量の細かい条件設定による臨床研究を精力的に行うことで、現行の治療よりも優れた治療方法になる可能性が期待されると結ばれています。


<略号の説明>
・OH:ヒドロキシルラジカル(活性酸素種の中で最も反応性および酸化力が強く、生活習慣病やがん、老化などを引き起こすとされる。)
ONOO-:ペルオキシナイトライト(細胞内でスーパーオキシドと窒素酸化物が反応して生じる。タンパク質、酵素、脂質、核酸といった生体分子を損傷させ、細胞死をもたらすとされる)
ROS:活性酸素種(・OH、・O2-スーパーオキシド、H2O2過酸化水素、1O2一重項酸素といった酸素原子を含む反応性の高い化合物の総称)
RNS:活性窒素種(ONOO-や一酸化窒素などの反応性の高い窒素酸化物の総称)
炎症性メディエーター:体内で炎症反応を起こしたり維持したりする内因性の物質。ヒスタミン、プロスタグランジンなどがある。
炎症性サイトカイン:生体内における様々な炎症症状を引き起こす原因因子として関与する物質。インターロイキン-1、インターロイキン-6、TNF-αなどがある。
抗炎症性サイトカイン:炎症症状を抑制する働きをもつサイトカイン。インターロイキン-10やTGF-βなどがある。
ラジカル:不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオン。ヒドロキシルラジカルやペルオキシナイトライトなどがある。

論文概要
Special issue(特集号):
タイトル:Antioxidant and Anti-inflammatory Effects of Hydrogen-Enriched Water
(和訳:水素豊富水の抗酸化・抗炎症効果)
論文タイトル:
「Health Benefits of Electrolyzed Hydrogen Water: Antioxidant and Anti-Inflammatory Effects in Living Organisms」
(和訳:電解水素水の健康上の利点―生物に対する抗酸化および抗炎症効果―)
著者:(敬称略、論文掲載順)
胡 迪(理化学研究所*、京都橘大学)
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000040144399/
樺山繁((株)日本トリム、神戸大学大学院)
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000040144399/
渡辺恭良(理化学研究所**、神戸大学大学院)
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000040144399/
崔翼龍(理化学研究所**)
https://research-er.jp/researchers/view/311535
*  理化学研究所生命機能科学研究センター研究員(研究当時、現客員研究員)
** 理化学研究所生命機能科学研究センターチームリーダー(研究当時、現客員主管研究員)

掲載先
Antioxidants誌:
▼オープンアクセス論文のため下記よりご覧いただけます(英語サイト)
https://www.mdpi.com/2076-3921/13/3/313


日本トリムについて
株式会社日本トリムは、医療機器である電解水素水整水器製造販売を主軸とした事業を展開しています。当社は世界に先駆けて水が持つ機能に着目し、25年以上にわたる産官学共同研究により「健康をサポートする水®、電解水素水」の機能、有用性を追求しています。
現在では、電解水素水の活用は飲用にとどまらず、血液透析における次世代新規治療法や農作物の栽培など様々な分野へと応用し展開しています。
また、グループ会社では国内最大手の民間さい帯血バンク(ステムセル研究所、東証グロース市場:7096)事業を展開するなど、日本トリムグループはグローバルなメディカルカンパニーを目指しています。

会社名/株式会社日本トリム(東証プライム市場:6788)
□設立年月日:1982年(昭和57年)6月12日
□代表取締役社長:田原 周夫(たはら のりお)
□資本金:992,597,306円
□従業員数:659名(2023年12月末日時点 ※関連会社等を含む)
□企業ホームページ:https://www.nihon-trim.co.jp/


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