■はじめに/読者の皆様へ
皆さん、初めまして。酪農学園大学の田村 豊と申します。
今年の25月まで獣医学群食品衛生学ユニットに所属し、獣医学生に対して獣医公衆衛生学の教育と、
動物と環境由来薬剤耐性菌の分子疫学に関する研究に従事していました。
今回、縁あってEDUWARD MEDIAにおいて獣医学関連の最新の話題について
「今週のヘッドライン 獣医学の今を読み解く」と題して
シリーズでコラムを書かせていただくことになりました。
大学の講義の最初に「今週のヘッドライン」として話していた、獣医学関連の話題を継承するものです。

毎週のように獣医学関連のニュースが引きも切らずに国内外から公表されています。
今回は読者が小動物医療関連の獣医師や動物看護師が中心ということで、
小動物医療関連の話題を中心に解説していきたいと思います。

また、獣医学全般の話題でも皆さんに知っておいて欲しいものも取り上げます。
世界で刻々と動いている獣医学の今を肌で感じていただければ幸いです。
是非とも興味を持っていただき、継続してお読みいただけることを期待しています。

酪農学園大学名誉教授 田村 豊

はじめに

皆さんは食品を購入する場合、賞味期限や消費期限を確認していると思います。あらゆる食品には消費者の安全性や利便性を高めるために期限表示がなされています。購入者は表示される期限を見て、食べたり廃棄したりしているはずです。一方、全ての医薬品(製剤)も同様に法律に基づいて有効期限を直接の容器に記載することが規定されており、獣医師はその日付をもとに使用しているはずです。また、動物の飼い主も獣医師から受け取った製剤の有効期限について関心を持っていると思います。そこで今回は製剤の有効期限について考えてみたいと思います。