一般用医薬品

一般用医薬品は一般薬、大衆薬、市販薬とも言われ、カウンター越しに売られることからOTC(Over The Counter)医薬品とも言われます。抗生物質の一種であるオキシテトラサイクリンもOTCと表記されることから、特に使用量が多い大動物の臨床獣医師は戸惑うことがあるかもしれません。今回は皆さんが特に購入する機会が多い、一般用医薬品について説明したいと思います。また、それに似た医薬部外品についても紹介します。

薬局において自分で購入できる一般用医薬品には、詳しく言うと、誰でもが直接購入できる一般用医薬品と、要指導医薬品の 2 種類に分類されます。要指導医薬品は医療用医薬品から市販薬に転用されたばかりの医薬品で、まだ取り扱いに十分な注意が必要であり、購入に当たって必ず薬剤師から対面での指導や情報提供を受けることになっています。そのため、インターネットでの購入ができません。要指導医薬品は原則 3 年間に亘って販売された後に、安全性に問題がなければ一般用医薬品に移行されます。一般用医薬品は、安全性を図るため医療用医薬品に比べて有効成分量を少なくしてあり、効き目が控えめであることが多くインターネットでも購入が可能です。

一般用医薬品は、安全性などのリスクの程度に応じて以下の分類がなされています。

<第一類医薬品>
副作用で日常生活に影響が出るほどの健康被害が発生する可能性があり、使う時は特に注意が必要なものを言います。薬剤師から必要な情報を紙で説明しなければなりません。

<第二類医薬品>
副作用で日常生活に影響が出るほどの健康被害が発生する可能性があるものを言います。薬剤師または登録販売者から、必要な情報をできる限り説明しなければならないとされています。

<第3類医薬品>
 日常生活に影響が出ないが、調子が悪くなる恐れがあるものを言います。情報の提供は求められていません。

 


購入する医薬品がどのリスク分類に当てはまるかすぐに分かるように、図のように外箱にリスク分類を表示していますので、確認するようにしましょう。

以上述べたのは人体用医薬品の話です。では動物用医薬品ではどうでしょうか?動物用医薬品には獣医師の処方箋または指示書がなければ入手できない「要指示医薬品」とそれ以外の医薬品があります。要指示医薬品とは、副作用の強いものや病原菌が耐性を示すものであり、抗菌薬やホルモン薬などがあります。動物用の抗菌薬はほとんどが要指示医薬品ですが、水産用は要指示医薬品から外れています。

要指示医薬品は間違った使い方をすると病気が治りにくくなったり、悪化する可能性があるため、専門的な知識を持った獣医師が使用の可否を判断し使用するものです。動物には一般用医薬品に該当する分類はありませんが、伴侶動物の場合、数は少ないながら作用が緩和で比較的安全な医薬品は販売業の許可を持っているドラッグストアやホームセンターなどの販売店で購入できます。