猫アレルギーと犬アレルギー

アレルゲンを含め猫アレルギーと犬アレルギーの概要をまとめたのが表2になります。


全般に猫アレルギーに対する対策が進んでいるようで、皮膚テストや免疫治療用の抽出物がありますし、免疫治療の臨床効果も認められているようです。ただし、両アレルギーともにワクチンは実用化されておらず、低アレルギー動物もありません。猫アレルギーの方が問題視される理由は、犬は外で飼育されるので人間との接触が少なく患者も少ないからと説明されています。

しかし、先に述べたように現在は両動物共に屋内飼育が主体ですので接触頻度は変らないように思います。それなのに犬アレルギーに比べ猫アレルギーがより注目されるのは、アレルゲン量が多いのか、アレルゲンそのものの活性が高いのかもしれません。それでは猫や犬アレルギーに対する対策とは何なのでしょうか?確実な対策はアレルゲンに触れないこと、つまり犬や猫を飼わないことになります。これでは何の解決策にもなりませんので、具体的にいえば、まず、家の中の掃除を徹底することです。Fel d 1は分子量も小さく室内空間に浮遊しているので床やカーペットに付着していると考えられます。空気清浄器も空中に浮遊するアレルゲンの低減化に有効と考えられます。

次に、猫の体をできる限り清潔に保つことです。シャンプーやブラッシングはアレルゲン量を減らす効果があります。後はアレルギーの専門医を受診し、アレルギー抑制剤の服用を行うことです。本来ならアレルゲンの少ない猫が居れば良いのですが、実際はなかなか困難な状況です。そこで犬や猫にワクチンを接種することによりアレルゲンを低減化させようと考えた研究が行われています。