今回は、中学的にみた病気の進行についてお話していきます。前回まで、西洋医学的には全く触れないような単語や漢字も多く出てきましたが、諦めずに読んでいただけたでしょうか?中医学的思考には、ある程度覚える必要のある単語も出てきますので大変ですが、慣れてくると面白いですよ!
それではみていきましょう!
病機とは
病機とは病気の発生から進行し、症状が変化していくメカニズム(機序)のことです。
以下のように分けて考えます。
①邪正盛衰:正気と邪気のバランスが崩れることで起こる
②陰陽失調:陰と陽のバランスが崩れることで起こる
③気、血、津液の異常:気・血・津液のバランスが崩れることが起こる
④五邪内生:気血、臓腑の生理機能の失調の結果体内で生じる、六淫(外邪)に似た病理現象
①の邪正盛衰は、からだの「正気=自然治癒力や免疫力」と「邪気=六淫(第9回参照)や様々な発病因子」の闘いが起き、正気が衰退していると邪気に侵され、病気の原因となるということです。これは、からだの抵抗力や免疫力が旺盛であれば、外邪の侵入を防ぎ、病気を予防することができるということでもあります。ただし、正気が旺盛な場合でも、非常に強い邪気が侵入すれば、病気の原因となります。
いかに正気を充実させておくかが健康維持のポイントになりますね!
②の陰陽失調は、第3回でもお話した、体内の陰と陽のバランスが崩れることで起きますが、いくつかのパターンがあります。第3回でも出てきた、陰と陽は覚えているでしょうか。
陰陽偏勝、陰陽偏衰、陰陽互損、陰陽格拒、陰陽亡失のパターンがありますが、イラストでイメージをつかんでみましょう。
陰と陽は常に変化していますが、極度に減り過ぎず増えすぎず、バランスを保っている状態が良い状態ですね。