ネガティブ思考から脱却するには

―若手の先生方へのメッセージをいただきましたが、他にもあればお願いします。
 臨床2~3年目は知らないことばかりの時期で、失敗の連続でネガティブ思考に陥ることがあるかもしれません。しかし、私がそうしてきたように逃げずに学び続けていただきたいと思います。置かれた状況でただ愚痴を言っているようではネガティブ思考から脱却はできないと思います。閉塞感を感じるならば、海外や二次診療病院で研修をするなど環境を変えてもがき続けてほしいと思います。

 私は獣医師になって10年以上になりますが、今でも術式を決めるとき、切皮するときは怖いと感じます。でも、専門医の資格を取れたことがひとつの転換点となり、思考がポジティブに変わりました。いまはそれを励みに恐怖を振り払っています。思考をポジティブに変えるには、ひたすら勉強してトレーニングを積むしかありません。患者に向き合ってもわからないことだらけだったのが、だんだん「わからない」が減っていく。その過程のどこかで、思考がポジティブに転換する瞬間が必ずやってきます。そしてそれが生き甲斐となるのではないでしょうか。


藤田 淳

2004年 北海道大学獣医学部 卒業(専攻:比較病理学)
2004年 東京大学動物医療センター 外科系診療科、研修医
2006年 高島平手塚動物病院(東京都) 勤務医
2008年 東京大学動物医療センター 外科系診療科 教務補佐員
2009年 日本小動物外科専門医レジデントプログラム参加 レジデント
2009年 東京大学動物医療センター 外科系診療科 特任助教
2013年 西原動物病院(千葉県) 副院長
2014年 公益財団法人 日本小動物医療センター 外科 執刀医

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