今を生き抜こうとする獣医師とは

―これからの獣医療を担う若手の獣医師にアドバイスをお願いします。
 まずは「自分が何をやりたいか、何になりたいか」を明確にすべきだと思います。そうすれば、“今やらなければならないこと”“次に習得しなければならないこと”が自ずとみえてくるはずです。そして、それからは決して妥協せずに、すべてやりきることが必要です。他人より優れた技術や知識をもっている先生は、皆、こういった努力をしていると思います。

 飼い主の目的は「動物を治すこと」ですが、原因が分からないまま“とりあえず”の対症療法に甘えてはいけません。一症例一症例を大事にしながら、飼い主の同意を得ながら徹底的に調べたうえで鑑別し、治療していく…。これをひたすら続けていくことが、診療技術の向上へとつながります。今を生き抜こうとする獣医師、そして獣医師の社会的地位の向上を目指すために必要となる心構えではないでしょうか。


三輪 恭嗣

2000年 宮崎大学農学部獣医学科卒業、東京大学附属動物医療センター外科研究生
2001年 東京大学附属動物医療センター外科研究員
2002年 東京大学附属動物医療センター研究員(エキゾチック動物専門)、ウィスコンシン大学エキゾチック動物診療科研修医
2004年 Avian & Exotic Animal Medical Center 学外研修(Externship、Sponsored by Abaxis、USA)
2005年 東京大学附属動物医療センター非常勤獣医師
2006年 東京都豊島区にて、みわエキゾチック動物病院開院

※肩書などは、インタビュー実施当時のものです。

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