内科はいちばん面白くていちばん難しい分野

―最後に、若手の獣医師たちにメッセージをお願いします
 今日本には優秀な外科の獣医師はたくさんいらっしゃいます。反面、内科は?と考えると、必ずしもそうではないのでは。そして、外科であれなんであれ、内科を知らないと獣医療はできないと思います。
 加えて内科の基礎は生理学です。だから生理学と内科学は、常に先生方には勉強してほしいと思っています。
 


 内科は正解のない分野です。こうしたらこうなる、という絶対的な正解がない。だから自分の知識と経験、ひらめき、動物の反応などから治療方法を変えたり調整したりしなければいけない。腎臓が悪いとしても、ほかの臓器の問題も全部考えた上で治療方針を決めないといけない。いちばん面白くていちばん難しい分野と思います。
 いろいろな角度からものをみて、最適解を導く獣医師になる―そのためには、生理学の教科書をはじめ、いろいろな本を読んで知識を豊富にしなければなりませんね。自分の専門分野しかわからない、そんな獣医師は「面白くない」と思います(笑)。


宮川 優一

日本獣医畜産大学獣医学部獣医学科卒業

2010年
日本獣医生命科学大学大学院で
犬および猫の慢性腎臓病の早期診断の研究で博士号を取得

2011年
日本獣医生命科学大学に着任
同時に付属動物医療センター腎臓科を担当
犬および猫の腎臓病・泌尿器疾患、体液・酸塩基平衡を中心に診療、研究を行っている

※肩書きなどは、インタビュー実施当時(2017年8月)のものです。

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