2022 年 11 月 19 日~20日、大阪市内で「第 43 回動物臨床医学会年次大会(動臨研)」が開催され、日本全国から 1561 名の参加者が集まりました。3 年ぶりのリアル開催とあって、会場内は熱気にあふれ、質疑応答も活発。対面発表ならではの盛り上がりが、水準の高い臨床報告が集結する動臨研の魅力を浮き彫りにしました。

本連載では、90 本弱もの発表があった今回の動臨研の講演のうち、EDUWARD Pressの編集者(獣医師含む)が特に注目した発表をピックアップ。その見どころをご紹介します!

「国家資格取得後の展望 国家資格は取ったけれど資格取得後の役割・活躍について」

発表者:左向敏紀先生(日本獣医生命科学大学)

【概要】
本講演では、動物看護に携わる人へのアンケート結果をもとに、2023 年 4 月に誕生する愛玩動物看護師(国家資格化に伴う正式名称)の役割や、働き方の未来像について解説しました。

同アンケートによると、「プライドを持って仕事をしたい」、「国家資格者としての認知度を上げたい」と考える動物看護スタッフが多い一方、獣医師側が愛玩動物看護師の役割を認識できておらず、「国家資格取得後に何を任せてよいのか分からない」という声も多かったようです。

また、国家資格化することにより可能となる業務は法律によって整備され、有資格者と無資格者の間で待遇面にも変化があることが予想されています。

左向先生は将来展望について、「今後の教育機関でのマネジメント次第では、専門性を身に付けた愛玩動物看護師の活躍の場や、職域や業務内容が広がる可能性がある」と示唆しました。