ニュース概要

アクアリウム用品シェアNo.1*のジェックス株式会社(大阪府東大阪市、代表取締役社長:五味 宏樹)は2024年5月1日(水)に、社内のSDGsプロジェクトから生まれた「リクアス グラス」の発売を自社のオンラインサイトで開始します。
https://shop.gex-fp.co.jp/gex/shop/goods/index.html?ggcd=60312

「リクアス」は、廃棄される水槽を無くしたいという想いのもと、ジェックス若手スタッフを中心に結成されたGEX SDGs サーキュラーチームから生まれた、再生ガラスを使用したブランドです。


GEX SDGs サーキュラープロジェクトとは
 いきものと暮らすことで得られる「癒し」や「やすらぎ」、「心の成長」、「楽しみ」を一人でも多くのお客様にお届けし、いきものとの絆を深め、人と社会、地球環境との共生を実現することを目的に2021年に発足しました。

 これまで廃棄するしかなかった割れたガラス水槽をどうにか生まれ変わらせることはできないか。業界内でも難題として長く放置されてきたこの問題を、トップシェアメーカーとして業界で最初に取り組むため、活動を始めました。

「ガラスの資源循環」というテーマで、現在はガラス工房さんと協同で活動に取り組んでいます。


廃棄されるガラス水槽について
国内に流通する観賞魚用ガラス水槽の約70%をジェックス自社工場(インドネシア)で製造しています。良質なガラスと、高い技術力で製造された水槽たちも、残念ながら約1%ほどが輸送途中で割れてしまうことがあります。
輸送途中に割れてしまった水槽たちは、これまで産業廃棄物として処分するしか方法がありませんでした。

水槽解体から「リクアス」ができるまで
水槽は種類によって樹脂製の枠が縁についています。また、すべての水槽には接着用のシリコンが塗布してあります。ガラスの溶解炉には不純物となるプラスチックの樹脂枠を入れる事は出来ません。
またシリコンも完成品の美観を損ねるため、取り除かなければなりません。


 もちろん、チーム全員が初めて経験する作業です。はじめのうちはどのように解体したら良いのかも分からず手探りの状況でしたが、試行錯誤を繰り返し、すべて手作業でガラス部分のみを取り出す方法にたどり着きました。ガラスを取り出した後の樹脂枠もカットして細かくしていきます。今回は使用しない部分もかさを減らせば、輸送で発生するCO2の削減にも繋がります。

 こうして集めたガラスの使い方を模索する中、山梨のガラス工房さんとの出会いがあり、本格的にプロジェクトの進む方向性が見えてきました。


 解体が完了したガラスをカレット状にし、1100℃という高温の炉に入れていきます。10時間以上かけて炉内で溶かし、次の姿に生まれ変わるのを待ちます。線香花火のように筒の先にくっついたガラス。ここから職人の技でゆっくりと膨らませていきます。


ここで問題となるのが、板ガラスと吹きガラスの違いです。同じガラスでも水槽に使われる板ガラスは、工房で扱っている吹きガラスに比べてすぐに冷えて固まってしまうため成形が難しいのです。ガラスが冷え切らないタイミングを見極め、何度もガラスを足し、ガラスを吹いて膨らませたら、容器の上部分はカットして穴を開け、反対に底部分はガラス底部分をくっつけます。
 最後は「アニール処理」という、熱で膨張したガラスを安定させるための処理を行います。この処理をしないとガラスの厚みや歪みによって、ガラスが割れてしまうこともあります。
 ひとつのガラスを成形するのに30分、アニール処理に丸2日かけ、やっと完成します。熟練のガラス職人の高度な技術と試行錯誤があったからこそ完成することができました。