2022 年 11 月 19 日~20日、大阪市内で「第 43 回動物臨床医学会年次大会(動臨研)」が開催され、日本全国から 1561 名の参加者が集まりました。3 年ぶりのリアル開催とあって、会場内は熱気にあふれ、質疑応答も活発。対面発表ならではの盛り上がりが、水準の高い臨床報告が集結する動臨研の魅力を浮き彫りにしました。

本連載では、90 本弱もの発表があった今回の動臨研の講演のうち、EDUWARD Pressの編集者(獣医師含む)が特に注目した発表をピックアップ。その見どころをご紹介します!

ランチョンセミナー:臨床現場では動物のいたみに対する認識が変わったか? ~獣医師に対する調査結果とQOLを上げるための最新製品情報~

枝村一弥先生(日本大学生物資源科学部獣医学科外科学研究室)および協賛企業

【概要】
最近では、多くの獣医師が動物も「いたみ」を感じていると認識しており、周術期の疼痛や慢性疾患による慢性痛に対して適切な管理が行われるようになってきています。

また、ここ 20 年ほどの間に、犬や猫のペインコントロールに用いられる薬剤の種類も非常に増えてきました。

本講演では動物のいたみ研究会が、動物の「いたみ」に対する獣医師の認識率を向上させるために行ってきた活動や、飼い主が動物の「いたみ」に気づき、来院するきっかけを増やすために行ってきた活動を概説しました。

また、2021 年に実施した獣医師の動物の「いたみ」に関する認識調査の結果について、過去の結果(2004 年、2008 年)と対比する形で紹介し、今後の課題についても考察しました。

動物のいたみ研究会は、「自ら『いたい』と言えない動物を『いたみ』から解放することが重大な使命である」との理念のもと、2003 年に発足した研究会です。

急性痛、慢性痛、がん性疼痛を 3 つの柱として、動物の「いたみ」の評価やその治療法についての教育講演などを行っています。